地理学の探求

地理の世界へようこそ ―フィールドは地球―

飛行機から見える大地の姿に目を奪われたことはありませんか。地理学は、このような地表上の空間的しくみ(地の理)に強い関心をもっています。

都市や農村のあり方、経済活動の空間的しくみ、人間活動を取りまく自然環境などの研究を通じて、多様な世界の諸地域を総合的に理解し、さらに地球環境や災害の問題、発展途上国の開発、国土保全、都市・農村問題といった今日的問題の解明にも役立つことをめざしています。

フィールドワークによる地域調査、コンピュータによる情報解析、地質の年代測定などの実践的・実験的手法を重視するのも大きな特徴です。文学部にありながら社会科学や自然科学にもまたがる幅広い学問であるといえます。

どんな人に地理学は向いているか

大学の地理学は暗記ものではありません。フィールド(調査地)での行動力やコミュニケーション力、データ分析に必要な論理的思考力などが重視されます。

これらは頭だけでなく、身体全体を通して培われるものです。したがって、いろんなところに出かけるのが好きで現場で why(なぜ?)と発問できる人、自然が好きでもっと深く没入したい人、刻々と変化する都市のたたずまいに心魅かれる人、そしてゲームソフト・シムシティが好きな人などは地理学向きと言えるかもしれません。

カリキュラム ―実践的研究力をきたえる

幅広い学習内容と実践的な専門教育がこの分野のカリキュラムの特色です。人文地理学、自然地理学、地誌学(地域学)のほかに、文学部内や他学部から幅広い関連科目を履修することができます。フィールドワークやコンピュータによる実習・実験や、学年全員で県外に出かけ調査実習を行う地理学野外実験・演習により、調査研究の実践的能力を高めます。

卒業論文で学生生活の集大成

4年次には、それまでの学習の総仕上げとして卒業論文を作成します。わたしたち教員スタッフが皆さんが主体的に選んだテーマを尊重し、完成まで主に演習の授業を通して指導します。

ここ数年のテーマをあげると、人文地理では、文化遺産、小売スーパー、地場産業、地方都市の商業、マンション立地、中山間地域問題、集落営農、農産物直売所、まちづくり、自然地理では地形発達や活断層などを扱っており、現代社会、自然環境に関わる多彩なテーマが取り上げられています。

広大地理の特色は?

30年以上継続してきたインド研究、阪神大震災で注目された活断層研究は、全国的な研究拠点となっています。実験室には14C年代測定装置や各種実験機器が備えられ、情報処理室ではIT革命で注目されるGIS(地理情報システム)が稼働しています。

大学院の先輩との交流も研究・スポーツをはじめ活発です。また全国学会(地理科学学会)の事務局が置かれているため、学会に参加したり発表したりする機会もあります。

保存地区の巡検

▲地理学野外実験での町並み保存地区の巡検

情報処理実習

▲コンピューターによる人文地理情報処理実習


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