平成22年4月1日より大学院組織への大幅改組を行いました



平成22年4月1日より大学院組織への大幅改組を行いました

 広島大学大学院工学研究科では,工学分野における最先端研究と人材育成を通じて現代社会と産業界に貢献していくことを目指しています.とりわけ平成13年度からは「世界トップクラスの研究を中心とした大学院大学」としての位置づけを明確にして,全国有数の規模(大学院生735名,教員 [教授・准教授・講師・助教・助 手] 203名)と高度な教育研究の質を誇っています.

 本研究科では,最先端研究をより一層深化させることによって,大学院教育の質を格段に向上させると同時に,工学系大学院に対する社会・産業界からの強い期待に応えることを意図として,平成22年4月1日より大学院組織の大幅な改組を行いました.

その概要は以下のとおりです.

1.工学研究科を5専攻から9専攻体制に移行しました

 工学研究科は,平成13年4月~22年3月までは5専攻体制(機械システム工学,複雑システム工学,情報工学,物質化学システム, 社会環境システム)でしたが,これを平成22年4月1日に改組して次のような9専攻体制としました.このことにより,学生にとっても,学生の出口である産業界・社会からみても,専攻ごとの専門領域がより明確になりました.

○ 機械システム工学専攻 (Mechanical Systems Engineering)

 本専攻の修了生は,機械システム(計測・制御,FA,産業用ロボットなど)の設計,CAEソフト開発などコンピュータ援用機械設計技術の専門家としての活躍が期待されます.こうした技術は,自動車,精密機器,電子電機産業など機械を使うあらゆる産業になくてはならないものです.

○ 機械物理工学専攻 (Mechanical Science and Engineering)

 本専攻の修了生は,新エネルギー開発,環境機器開発,素形材産業などにおける実験解析,生産・製造技術などの分野の専門家としての活躍が期待されます.こうした技術は,重工,鉄鋼などの機械基幹産業をはじめ,化学工業,電機工業などあらゆる産業に必要とされています.

○ システムサイバネティクス専攻 (System Cybernetics)

 本専攻の修了生は,電気電子関連企業,エネルギー産業,生産機械製造,医療福祉機器製造関連企業,及び情報関連企業における指導的立場の高度専門技術者,大学・官公庁及び民間研究機関における研究者としての活躍が期待されます.

○ 情報工学専攻 (Information Engineering)

 本専攻の修了生は,情報処理関連企業におけるシステム研究開発,システムインテグレーションを担当する高度専門技術者,電子,電気,情報,通信関連企業等においてハードウェア・ソフトウェアに関する調査・計画・設計・開発・評価を担当する高度専門技術者,大学・官公庁及び民間研究機関における研究者としての活躍が期待されます.

○ 化学工学専攻 (Chemical Engineering)

 本専攻の修了生は,化学・エネルギー・繊維工業だけでなく,物質を扱う医薬・食品・輸送機器・製鉄・非鉄金属・セラミックス・電気・電子などの広範囲の産業での活躍が期待されます.

○ 応用化学専攻 (Applied Chemistry)

 本専攻の修了生は,化学系,電気・電子系,材料系及び環境・分析系の産業で,機能性物質の開発を行う技術者・研究者としてグローバルな活躍が期待されます.

○ 社会基盤環境工学専攻 (Civil and Environmental Engineering)

 本専攻の修了生は,土木・建設会社,建設系コ ンサルタントの建設技術者,環境技術者ならびにこれらの分野の教育・研究者としての活躍が期待できます.社会基盤施設のサスティナブル化,高品質化,また途上国における開発,環境保全の技術指導など,国際協力の可能な技術者への期待はますます大きくなっています.

○ 輸送・環境システム専攻 (Transportation and Environmental Systems)

 本専攻の修了生は,船舶・海洋,物流,システムエンジニアリング,自然環境関連の企業,官公庁における指導的技術者及び研究者としての活躍が期待されます.アジアの経済的発展を支える国際的な物流システムを大きく発展させるべく,システム構築を推進することのできる指導的技術者への期待はますます大きくなっています.

○ 建築学専攻 (Architecture)

 本専攻の修了生は,建築産業,住宅産業における設計・施工業務に関わる専門技術者及び研究者としての活躍が期待されます.高齢化 社会に向けた居住環境のリニューアル,コンパクトシティへの都市再生などに向けて,感性が豊かで,アイデアのある新技術を開拓することのできる建築技術者への期待は大きなものがあります.

各専攻のミッションと研究・教育内容等の詳細は本ホームページの「学科・コース一覧」に専攻ごとに記載してありますので,それを参 照してください.

2.新しい教育プログラムを準備しました

 大学院教育に関しては,次のような具体的な人材育成の目標を持っており,そのための教育プログラムを用意しています.

(1) それぞれの技術分野に必要な学問的ベースをしっかり身に付けた人材の育成

 工学の伝統的な分類である機械,材料・生産加工,電気・電子,工業経営,情報,化学工学・応用化 学,土木,建築,海洋・環境などの枠組みの中での教育が引続き重要な意味を持っています.改組された新9専攻では各専門分野における体系的教育が実現されます.

(2) 最先端研究開発に即戦力となる高い専門性を身に付けた人材の育成

 大学院生が最先端研究に直接携わることにより,高い研究開発能力を身につけることができます.また,複数の異なる学問領域の融合によって成り立つ先端的分野について深く学ぶための特色ある教育プログラム(以下に示す融合領域プログラム)も用意されています.

  • バイオマス (対象: 機械物理工学専攻・化学工学専攻)
  • ハイパーヒューマンテクノロジー

    (対象: 機械システム工学専攻・システムサイバネティクス専攻・情報工学専攻・化学工学専攻)
  • グリーンケミストリー (対象: 化学工学専攻・応用化学専攻)
  • 都市総合防災 (対象: 社会基盤環境工学専攻・建築学専攻)
  • 生存圏環境システム (対象: 輸送・環境システム専攻・社会基盤環境工学専攻)

なお,これらの融合領域プログラムを選択する学生は主専攻を軸に,上記のプログラムごとに指定された科目を受講することになります.すなわち,基軸となる技術分野のベースを持った特定融合分野の高度技術者,研究者を育成することが本プログラムのコンセプトです.

(3) 国際舞台で活躍できる専門能力,言語・コミュニケーション・情報発信能力を身に付けた人材の育成

 研究情報の取得(論文検索,研究討論など),研究成果の発信(国際会議発表,論文発表など)は基本的に国際的な活動です.大学院生は研究活動を通じて国際舞台で活躍できる能力を身につけていきます.また,平成22年度からは9専攻全てにおいて,英語による講義を受け,英語で学位論文を書き,論文発表を行うことにより課程修了・学位取得ができるようになっています.このシステムは単に留学生のためだけではなく,これから国際舞台で活躍する能力を身につけたい日本人学生のためのものでもあります.さらに,大学院生は,海外の協定校で国際共同研究を遂行し,海外インターンシップ事業に参画するなどの直接的な国際活動経験もできます.

3.教育組織(研究科・専攻)と研究組織(研究院・部門)を分離しました

 これまでは教員は研究科・専攻に所属して教育研究を行っていましたが,この度の改組では大学院教育を行う組織(研究科・専攻)と研究を行うための組織(研究院・部門)を分離しました.研究院には専門研究分野を代表する次の7部門を置いています.

  • 機械システム・応用力学
  • エネルギー・環境
  • 材料・生産加工
  • 電気電子システム数理
  • 情報
  • 物質化学工学
  • 社会環境空間

このことにより,専門領域の研究を深化させるとともに,大学院生にとっては幅広い領域の学問を体系的に学ぶことが可能となります.


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