本学フェニックス入学制度により74歳で工学研究科博士前期課程を修了された
富士岡努さんが、5月28日に開催された平成22年度土木学会総会で土木学会名誉
会員の称号を授与されました。
土木学会名誉会員は「学術、技術に関する貢献が極めて顕著な75才以上の者」
に与えられる称号で、毎年10数名が選ばれ土木学会総会で表彰されるたいへん
名誉ある称号です。
富士岡さんは長く広島県庁に勤務され、県企業局長を最後に退職された後に
荒谷建設コンサルタント(株)副社長を務めるなど、土木技術者として実務で活躍
されてきました。
この間、本学の網干壽夫名誉教授の指導を受けながら、わが国初のサンドド
レーン工法による鋼矢板護岸工事(現在はマツダの工場の一部)、事前圧密工法
による太田川西部浄化センター建設事業(土木学会技術賞を受賞)など、学術的
にも注目される建設プロジェクトで中心的な役割を果たされました。
平成15年に72歳で工学研究科社会環境システム専攻に入学し、2年間で「広島県
沿岸14埋立地における地盤造成技術の変遷」と題する修士論文をまとめ修了されて
います。
技術者としての多くの業績とともに、70歳を過ぎて大学院で学ぶという意欲と
向上心が受賞理由のひとつになったとのことです。おめでとうございます。
土木学会総会・表彰式の後の懇親会でほっとされた表情の富士岡努さん(左)。
隣の本学佐藤良一教授は現土木学会理事で、同じ表彰式で論文賞を受賞しています。