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第18回広島大学バイオマスイブニングセミナーが開催されました



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2014年3月7日(金)、「第18回広島大学バイオマスイブニングセミナー」が広島大学東広島キャンパスにおいて開催されました。

本セミナーは、広島大学バイオマスプロジェクト研究センターと中国地域バイオマス利用研究会の共催で開催しており、バイオマスに関する基本的な考え方から 最先端の情報までをカバーして、この地域におけるバイオマスの活動に資することを目的とするものです。

【プログラム】 

  • 解説

    広島大学 大学院工学研究院 教授 松村 幸彦

  • 講演

ディスクミルを用いた水熱条件下でのバイオマスの粉砕

広島大学 大学院工学研究院 教授 松村 幸彦

(広島大学 大学院工学研究科 博士課程前期2年 同前 豪)

松村教授の講演

 近年石油枯渇問題などからバイオマスエネルギーが注目されています。特に食料と競合しないバイオマスからエタノールを得る方法に注目が集まっています。非食用系バイオマスからエタノールを得る際、まず前処理を行い、次に酵素処理、最後に発酵を行うことでエタノールを得る事が出来ます。しかし、現在、効果的な前処理方法の開発はされておらず、その開発が非常に重要です。これまでにディスクミルを前処理に用いる事は有効であるとされてきました。また水熱条件下でバイオマスを粉砕することの有効性も示されてきました。しかし、これらはその将来が期待されていながらも未だ効果的な前処理方法の開発に至っていません。そこでこの2つの技術を融合すればより良い処理方法の開発となるのではと考え、水熱条件下でのバイオマスの粉砕にディスクミルを用いる研究を行う事としました。従って、本研究の目的としてディスクミルを用いた水熱条件下でのバイオマスの粉砕を実現する反応器を製作し、その有効性及び処理特性を明らかにする事としました。試料にはユーカリを用いました。

  • 講演

超臨界水でのグリシンおよびアラニンのガス化特性

広島大学 大学院工学研究科 博士課程後期2年 Thachanan SAMANMULUYA

SAMANMULYAさんの講演

  タンパク質のモデル物質であるアラニン水溶液1.0〜3.0wt%を管形反応器 500-650℃、25MPa、反応時間 63-119 sにて超臨界水ガス化を行いました。気体生成物について、同定はガスクロマトグラフィー(GC)で行い、定量は水性相中の全有機炭素(TOC)に決定しました。実験結果に基づいて、炭素ガス化効率を計算し、一時反応を仮定して反応速度パラメータを決定しました。高温により、高炭素ガス化効率が向上しました。

  • 講演

水熱前処理におけるセルロースの可溶化挙動

広島大学 工学部 4年 川崎 一志

川崎さんの講演

 リグノセルロース系バイオマスからのエタノール生産過程において、水熱前処理は酵素糖化処理を行う上で重要な前処理であり、結晶構造をもつセルロースの水熱条件下での可溶化を制御することは、迅速な酵素糖化に有効であると期待されています。そこで本研究では、セルロースを高温高圧水中に可溶化させ、その可溶化挙動を確認することを目的としました。温度上昇により可溶化率は指数関数的に増加し、300℃で最大炭素濃度 2.5g/Lの値を得ました。

  • 講演

酢酸の超臨界水ガス化の反応速度論的解析

広島大学 工学部 4年 明山 佳樹

明山さんの講演

 グルコースの超臨界水ガス化で、多くの中間体を経てガス化することがわかっており、酢酸などの有機酸が超臨界水中で、比較的安定であることから、有機酸がガス化の律速段階であることが予想され、有機酸の分解・ガス化特性を解明することが重要です。本研究では超臨界水中で、有機酸の中でも低分子である酢酸が、ガス化する反応速度を実験的に決定し、酢酸がグルコースガス化において果たす役割に関する知見を得ることを目的とします。

  • 司会

    広島大学 大学院工学研究院 助教 神名 麻智

【お問い合せ】

広島大学 大学院工学研究科 熱工学研究室 中嶋

メール: y4naka[AT]hiroshima-u.ac.jp

([AT]は半角@に置き換えてください。)


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