平成29年5月18日(木)に第53回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第13回広大ACEセミナー)を開催しました。
当日の講演内容

司会
広島大学大学院工学研究科
教授 松村 幸彦
「褐藻からのバイオメタン生産」
大型藻類は、海洋で栽培できることから陸上で栽培される食糧と競合しない、リグノセルロースと比較して分解しやすいことから、バイオメタン生産の原料として有望です。本研究では、塩分含有大型藻類からのバイオメタン生産を、塩分無希釈条件下で、褐藻を基質とし、海洋由来微生物源を使用して行いました。

講演
広島大学大学院先端物質科学研究科
研究員 三浦 豊和
「低級有機酸資化性細菌を用いた油脂生産とバイオマス利用の可能性」
海洋性の低級有機酸資化微生物Nitratireducter sp.OM-1株を用いて、大型藻類などのバイオマスからバイオ燃料となりうる油脂を生産することで、海洋国である日本でのバイオリファイナリー技術の確立を目指しています。
OM-1株は窒素飢餓のストレス条件下で細胞内に油脂を約60%蓄積します。そこで、本研究では、窒素飢餓下での培養条件の検討を行うことで、油脂生産量の向上に取り組みました。

講演
広島大学大学院先端物質科学研究科
M2 中井 昇太
「Moorella thermoaceticaの酢酸合成経路改変による細胞内ATPプール量への影響」
合成ガス資化ホモ酢酸菌であるMoorella thermoaceticaの酢酸合成経路改変を行い、フルクトースからエタノールを生産するdpdul::aldh株の育種に成功しました。このエタノール生産株をdpdul::aldhと命名しました。しかし、dpdul::aldhはH2-CO2培養では生育できませんでした。その原因はATP供給量の低下と考えられたため、基質の違い、及び、酢酸合成経路改変による細胞内ATPプール量への影響を調べました。その結果、野生株のH2-CO2培養、dpdul::aldhのフルクトース培養の細胞内ATPプール量は、野生株のフルクトース培養と比較して、それぞれ1/5程度まで低下していました。

講演
広島大学大学院先端物質科学研究科
M1 竹村 海生
司会
広島大学大学院工学研究科 客員研究員 Obie FAROBIE
お問合せ先
中国地域バイオマス利用研究会(広島大学大学院工学研究科機械システム工学専攻内)
TEL:082-424-5762
FAX:082-422-7193
E-mail:bprc*hiroshima-u.ac.jp(注:*は半角@に置き換えてください)