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(説明を行う 清水准教授(写真中央)ら総合博物館の職員)
第2次世界大戦中、出征した広島高等工業学校(広島大学工学部の前身)の卒業生に贈られたとみられる寄せ書きのある「日の丸」が2020年12月6日、現在の持ち主の米国在住女性から本学総合博物館に寄贈されました。
旗は、日の丸の横に「必勝 廣瀬壽一君」と墨書され、広島高等工業学校、広島醸造学会の名とともに、同校の長俊一校長(当時)をはじめ、同校の教授ら計29人のサインが添えられています。
寄贈したのは米国ミシガン州在住の節子ブランダーホスト氏。沖縄の米空軍基地で教師をしていた友人から旗を譲り受けたそうです。2020年2月末、「廣瀬さんのご家族の方にお返ししたい」と本学総合博物館に相談があり、今回の寄贈となりました。
総合博物館が調査したところ、廣瀬壽一さんは福岡県出身で、ご遺族が福岡市内に在住と分かりました。廣瀬さんは1936年に広島高等工業学校の醸造学科選科を修了し、42年5月にビルマ(ミャンマー)で戦死されていました。38~39年ごろ、戦地に赴く際に贈られたものと見られます。「母校で活用していただきたい」とのご遺族の意向を受け、博物館は今後、展示公開を検討中です。
同博物館の清水則雄准教授は「前身校ゆかりの日の丸を通じて、現在の平和な社会が先人たちの命を懸けた礎によって築かれていることを再認識していただければと願っています。お名前に心当たりの方があれば情報を寄せてほしい」と話しています。
(記者説明会の様子)

(「日の丸」の寄せ書き)
広島大学総合博物館