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第20回 先輩交流アワーを開催しました

2022年10月14日、KATO OMOSHIRO LAB(旧 おもしろラボ)で「先輩交流アワー」を開催しました。

今回の講師は、工学部第四類建築学科卒業を卒業された、株式会社地域計画建築研究所代表取締役社長 中塚 一(なかつか はじめ) さん。当日は建築学プログラムの学生を中心に16人が参加しました。

中塚さんには【これからのまちづくりを考える】と題して、お話いただきました。
社会経済情勢や時代ニーズの変化として、高齢者が増加し、生産者が減少している現代において、まちは「つくる」時代から「使う」時代へ変化していること、また、昔は行政主体のまちづくりだったが地域事業型へのまちづくりに変化していることをお話いただきました。

また、アフターコロナ社会へのまちづくりとして「車から人中心のまちづくり」を行っているというお話があり、その中でミナミ御堂筋の会を発足し、「ミナミ御堂筋ビジョン2022」を以下の4点のビジョンを持って改革を行っている旨の説明を画像と動画を交えてわかりやすくお話していただき、学生達も聞き入っていました。

【御堂筋ビジョン2022】

1 アップデートされた道路空間の活用

  • ミナミの界隈で生まれる新たなビジネスのポップアップや商店街と連動したイベント、新旧のカルチャーなどエリアコンテンツが体験できる
  • ICT技術と親和する新たなモビリティサービスの展開や、エリア情報の発信、ビッグデータを用いたインサイト型広告の展開などによりストリートをスマート化する

2 魅力的な遠藤建築物の活用

  • 歴史的建築物が継承され、世界的な建築家が競作するアイコニックな街並の形成
  • ―魅力的な沿道アセットの活用・発信
  • 活用可能なコモンスペースを敷地内に創出することができるボーナス制度

⇒1&2の効果で街路環境の改善・高質化への還元

3 文化的・先取的コンテンツの創出

  • 芸術・芸能をはじめミナミの様々な文化が体験できる場としての御堂筋の活用
  • 会員企業の連携による新規コンテンツ形成
  • 若手クリエイターやアーティストによるチャレンジへの投資

4 総合的 エリア・ブランディング

  • ビッグデータを活用した来街者情報分析
  • テナント会員や周辺商店街等と連携した情報発信の多角化
  • デジタルサイネージなど幅広い案内・情報発信媒体の整備
  • 多様な主体と連携したイベントの実施

​​​​​​⇒3&4でエリアへの来街動機の多面化

講演の後には質疑応答を行いました。学生からの「社会実験を行う上で一番意識していることはなにか。」という質問に対し、「今の流行を取り入れるのではなく、将来的にどのような街の姿にしたいかを考え、それを実現するのはどうしたらいいのかを考えている。そうすると自ずとやるべきことが見えてくる。」といった回答をいただきました。
また、「海外ではアフターコロナ後、人中心のまちづくりがすすんでいるように感じるが、日本ならではの問題でうまくいかなかったということはないのか。」という質問に対しては「そのような問題が起こらないように予想されるようなことはあらゆるデータをとり、事前に課題を見つけておく。そして、その課題を解決するためにどうしたらよいか、地域の方々と協力して考え、地域の合意形成のもと実施していくようにしている。」という回答をいただき、学生たちにとってとても有意義な時間だったのではないかと思います。

みなさんの先輩が所属する広島大学工学同窓会。この工学同窓会から先輩をお招きして、企業のことや、社会のこと、就職のことやものづくりのことなど、先輩に学ぼうという取り組みが『先輩交流アワー』。

今年度は今回で終了となります。講師の方、工学同窓会にはご協力賜りありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。


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