2023年12月1日、工学部101講義室で「先輩交流アワー」を開催しました。
今回の講師は、工学部第一類卒業・工学研究科移動現象工学専攻を修了された、マツダ株式会社 商品開発本部 シニアエキスパートの野間 幸治(のま こうじ)さん。当日は機械システムプログラムの学生を中心に約20人が参加しました。
野間さんには「企画設計部の仕事~商品開発における企画屋のマインドとスキル~」と題して講演いただきました。企画設計部とは何をするところなのか,その位置づけから始まり,企画設計者として求められるマインドとスキルについてお話しいただきました。
株式会社マツダ E&Tの代表取締役社長として組織を牽引してきた経験を持つ野間さん。企画設計者としての経験の中から知った,製品全体を統合する視点を持つことの重要性についてのお話と,エンジニアが陥りやすい「すべての事象に『正解は必ずある』と思い込んでしまうこと」の危うさと『正解は必ずしもない』という講話の後は,学生にちょっとしたお題を出し,仕事をする上で相手の意図を汲むことと前提を共有することの大切さを説かれました。最後に「意味の無いことはしないのではなく,意味が無いと思われることも意味づけをして価値化する。その為に “ 何故 ” を繰り返すのです」と語る野間さんの貴重なお話に学生も聞き入っていました。
野間さんから学生へのメッセージとして「言葉の論理を手品のように使う人に,論理性に従順なエンジニアはだまされやすい。まず言葉の定義をきちんと確認する習慣,冷静に状況を観察・確認する習慣を身につけることをお勧めします。相手との話をかみ合わせ,話の筋を通すためにも,社会人にとってコミュニケーション能力は必要です」と語られました。
みなさんの先輩が所属する広島大学工学同窓会。この工学同窓会から毎ターム先輩をお招きして、企業のことや、社会のこと、就職のことやものづくりのことなど、先輩に学ぼうという取り組みが『先輩交流アワー』。
今年度は今回が最後となります。講師の方,工学同窓会にはご協力を賜り誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。