以下の授業が2022年度前期の学部の「名講義」の上位12科目に挙げられました。(ただし、実習等及び受講者10人未満の講義は除いています。説明文は、講義概要や到達目標等から抜粋しています。)
数値計算法 石神 徹
化学工学分野で利用する重要な各種の数値計算法を修得し、以下の項目のソフトを作成する能力を養うことを目的としている。
1 Fortranの言語を用いて、実験データの処理ができる。
2 常微分方程式を数値解析できる。
3 非線形の連立1次方程式を解くことができる。
4 微分方程式の差分表示が理解できる。
5 偏微分方程式(移動現象の輸送方程式)を数値解析できる。
工学プログラミング基礎 金指 正言・駒口 健治・田島 誉久
Windows上で表計算およびプログラミング言語としてMicrosoft Excel(Visual Basic for Applications)を用い、以下の知識及び能力を身につけることを目標とする。
(1) パソコンに関する基礎知識を習得し,パソコン起動,アプリケーション実行,簡単なファイル操作(リスト表示,閲覧,コピー,移動など),パソコン終了の操作ができる。
(2) スプレッドシートの概念を理解し,Microsoft-Excelのシート上で,セルへの入力,セルの参照,基本的なワーク関数の利用により表計算の操作ができる。
(3) スプレッドシート上のデータに対して,書式設定,グラフ作成および近似曲線を描く等の操作ができる。
(4) Excelのゴールシークやソルバー機能を利用して,方程式の解を数値的に求めることができる。
(5) 方程式の数値解法を理解し,Excel上で新たなマクロを作成して利用できる。
(6) Excelのマクロ機能を利用してプログラミングの概念を理解し,Visual Basicエディタ上でのソースプログラムの記述,実行,デバグの操作ができる。
(7) 算術演算及び組み込み関数を使用した演算を正しく行うことができる。
(8) シート上のセルからの値の入力及びセルへの出力を行うことができる。
(9) 条件付実行や繰り返し実行を正しく行うことができる。
(10) 自分でFunctionプロシージャやSubプロシージャを作成し,これを使用することができる。
機械材料I 松木 一弘
鉄鋼材料は、機械構造用材料として多量にまた広範に利用されている重要な材料である。本講義では、「材料科学」の授業で習得した知識を基礎に、以下について修得する。
1)鉄鋼材料の機械的性質が化学成分や組織とどのように関連しているかを理解する(B)。
2)各種の熱処理や表面処理によって機械的性質を改善・調整できる原理を学び、機械・構造物の目的と性能を十分に発揮させるために必要な材料処理法および材料選択法を修得する(B)。
3)鉄鋼材料に関する基礎知識と問題解決能力を養う(B)。
材料力学 半井 健一郎
本授業では、力のつり合い,応力,ひずみについて説明し,梁やトラスなどの構造物の設計の基礎を学ぶ。
専門有機化学III 池田 篤志
有機化学の基幹となす一群の化合物であるベンゼン誘導体、カルボニル化合物、および、これらから誘導される重要な化合物の性質、合成法および反応について講義し、以下に示す有機化学の学問に必要な基礎知識を習得することを目標とする。
(1) 不飽和共役分子の電子構造を理解し、その反応性、物性との相関を理解する。
(2) ベンゼン系化合物の芳香族性に関する基礎的な知識を習得し、その特異な安定性と特徴的な反応性について理解する。
(3) 各種芳香族求電子置換反応を学び、その類似点と相違点を理解すると共に、置換基の共鳴・誘起効果が置換反応の反応性と配向性に及ぼす影響を理解する。
(4) カルボニル化合物の構造的特徴に由来する求電子付加反応を習得し、その合成化学への有用性を理解する。
(5) カルボン酸の多用な化学的性質を学び、その付加-脱離機構についてふれる。
有機構造解析 池田 篤志
有機化学の研究において、スペクトル測定を利用した化合物の構造解析・同定は欠くことのできない基本的な手法である。
本科目では、水素および炭素の核磁気共鳴スペクトル(NMR),赤外線吸収スペクトル(IR),および質量分析法(MS),紫外可視吸収スペクトル(UV-vis)を利用した構造解析に関する基本的知識の講義とそれらを用いた演習を行い,以下の知識と能力を習得することを授業の目標とする.
(1)各スペクトルの定量性,定性性を理解し,得られる情報の種類・質の差異と特徴を理解する.
(2)水素核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)における化学シフトと簡単なスピン結合を理解し,これらを利用した構造同定ができる.
(3)1H-NMRにおける比較的複雑なスピン結合系を解析することが出来る.
(4)磁気的非等価性について基本的な考え方が理解できる.
(5)炭素核磁気共鳴スペクトル(13C-NMR)における化学シフトを利用し,構造解析に利用することができる.
(6)赤外線吸収スペクトル(IR)における種々の官能基の特性吸収を理解し,構造解析に利用することができる.
(7)質量分析法(MS)における,分子イオンピーク,フラブメンテーション,同位体パターン,不飽和度などの各概念を理解し,これらを構造解析に役立てることができる.
(8)紫外可視吸収スペクトル(UV-vis)の予測と評価ができる.
(9)上記各手法を組み合わせ,スペクトル的手法のみで未知化合物の構造解析ができる.
リモートセンシング 作野 裕司
輸送機器環境工学に関わる環境・流体工学分野の専門知識とそれらを問題解決に応用できる能力の養成。
化学工学量論 矢吹 彰広
化学プロセスの基本的理解とその定量的な把握のために必要な物質およびエネルギー収支の取り方、量論関係の扱い方を学ぶ。本講を受講することにより、化学技術者として必要な化学プロセスの全体像を把握する手法の基礎を習得できる。この手法は単に化学工業のみならず、各種の製造業、バイオ関連産業、エネルギー関連産業などほとんど全てのプロセス工業に共通な基礎的手法の一つである。
なお、「知識・理解」、「能力・技能」の評価項目は、下記のとおりである。
1) 化学プロセス計算について理解する。
2) 物質量の取扱いと単位系について理解する。
3) 理想気体と実在気体のPVT関係について理解する。
4) 化学プロセスの物質収支計算を理解する。
5) 物理状態変化とエンタルピー収支計算を理解する。
信号処理工学 中本 昌由
信号処理は,音声・映像・通信信号・計測制御・生体信号などさまざまな信号を適切に処理する技術である.本講義では信号処理の基礎を学ぶ.信号の周波数スペクトル解析,標本化定理について説明する.また,離散フーリエ変換,高速フーリエ変換,z変換を説明する.さらに,信号処理システムの表現方法として伝達関数を説明し,信号処理システムの例としてフィルタについて解説する.
輸送機器論III 濱田 邦裕
輸送機器の一つである自動車を対象に,最近の技術事例を挙げながら,各部の構造・機能,各種の性能,各種装備品等の基礎的事項を概説し,輸送機器に関する基礎知識を習得させる.
1. 各種輸送機器の特徴,歴史的な役割の講義を通じて,社会における輸送機器の役割を理解させ,広い視野から工学に関わる問題点を認識する能力を養う.
2. 各種輸送機器,特に自動車の構造,機能,性能の講義を通じて,その技術的特徴を理解させ,工学に関する問題点を論理的に整理する能力を養う.
3. 技術的な優劣,好適な領域と役割といった工学的な諸問題を総合的に評価・考察する能力を養う.
応用数学II 川下 和日子
ベクトル解析の基礎的な事項を講義する。その際、各種の演算の物理的意味を
明らかにし、電磁場・流体現象・力学などの工学分野への応用に配慮する。
1) ベクトルや多変数関数の基本的な性質について知り、自由に演算ができる。
2) 曲線・曲面の定義と径数の意味を理解し、曲線の長さや曲面の面積などを
具体的な対象について計算できる。
3) スカラー場やベクトル場の概念を理解する。
4) 勾配・発散・回転などを自由に操ることができる。
5) 線積分や面積分を自由に計算でき、種々の積分定理について理解し,さま
ざまに応用することができる。
6) 電磁場や流れ場などの物理現象についての数学的記述を理解する。
応用化学・化学工学・生物工学概論 滝嶌 繁樹・中井 智司・舟橋 久景・中山 祐正・中島田 豊・池田 篤志
応用化学、化学工学、および生物工学の学問、社会的な役割を理解することができる。
応用化学、化学工学、および生物工学分野の基礎的・先端的研究に関する知識を得ことができる。
工学部第三類応用化学、化学工学、および生物工学プログラムで行われている研究内容や、関連する産業・技術について、分かりやすく解説する。