以下の講義が2024年度前期の学部の「名講義」の上位13科目に挙げられました。(ただし、実習等及び受講者10人未満の講義は除いています。説明文は、講義概要や到達目標等から抜粋しています。)
専門有機化学III 池田 篤志
有機化学の基幹となす一群の化合物であるベンゼン誘導体、カルボニル化合物、および、これらから誘導される重要な化合物の性質、合成法および反応について講義し、以下に示す有機化学の学問に必要な基礎知識を習得することを目標とする。
(1) 不飽和共役分子の電子構造を理解し、その反応性、物性との相関を理解する。
(2) ベンゼン系化合物の芳香族性に関する基礎的な知識を習得し、その特異な安定性と特徴的な反応性について理解する。
(3) 各種芳香族求電子置換反応を学び、その類似点と相違点を理解すると共に、置換基の共鳴・誘起効果が置換反応の反応性と配向性に及ぼす影響を理解する。
(4) カルボニル化合物の構造的特徴に由来する求電子付加反応を習得し、その合成化学への有用性を理解する。
(5) カルボン酸の多用な化学的性質を学び、その付加-脱離機構についてふれる。
数値計算法 石神 徹
化学工学分野で利用する重要な各種の数値計算法を修得し、以下の項目のソフトを作成する能力を養うことを目的としている。
(1) Fortranの言語を用いて、実験データの処理ができる。
(2) 常微分方程式を数値解析できる。
(3) 非線形の連立1次方程式を解くことができる。
(4) 微分方程式の差分表示が理解できる。
(5) 偏微分方程式(移動現象の輸送方程式)を数値解析できる。
物質移動論 金指 正言
本科目では、基礎化学工学に引き続き、拡散現象による物質移動の基本的概念を習得することを第1の目標とする。さらに、分離プロセスとしてのガス吸収、蒸留、抽出、調湿、吸着、乾燥等の工業的物質移動操作の基礎を学ぶことにより、物質移動の速度論的概念、各操作の物理的概念、更に、これらを応用した装置設計法の基礎を習得することも目標とする。
なお、「知識・理解」、「能力・技能」の評価項目は、下記のとおりである。
(1) 拡散現象の基礎:Fickの拡散式、Stefan-Maxwellの式、一方拡散、非等モル相互拡散などを学び、分子拡散現象の正確なイメージを形成することができる。
(2) 非定常拡散、直交・円筒座標系におけるShell Balance等の数学的基礎および2重境膜説に基づく物質移動係数の概念を習得でき、化学工学の広い分野に応用できるようになる。
(3) 気体-液分離プロセス:ガス吸収装置の物質移動速度論的取り扱いによる設計法の基礎が習得でき、実際的装置設計に応用できるようになる。
(4) 蒸気-液分離プロセス:気液平衡、各種蒸留法の基本的概念とその設計の基礎が習得でき、実際的装置設計に応用できるようになる。
(5) 液-液分離プロセス:液液平衡と抽出操作の基礎が修得でき、実際的装置設計に応用できるようになる。
(6) 乾燥プロセス:空気調湿・冷水操作および乾燥操作の基本的概念、熱・物質同時移動の概念とその速度論的取り扱いの基礎を理解でき、実際的装置設計に応用できるようになる。
機械力学II 菊植 亮
機械力学Ⅰの内容をさらに深め、多自由度系の振動、連続体の振動、回転体の振動などの現象を理解し、現実の機械や構造物に発生する振動問題とその解析手法に関する知識を修得し、より複雑な振動現象を理解するのに必要な応用力を身に付ける。
(1) 多自由度系の運動方程式を導くことができる。
(2) 連続体の振動を支配する運動方程式を導き、その解を求めることができる。
(3) 固有振動モードの概念を理解する。
(4) 有限要素法の原理とそれによる振動解析法を理解する。
(5) 自励振動、係数励振振動の現象を理解できる。
(6) 回転体の振動についての現象を理解することができる。
応用数理A 柴田 徹太郎
授業の到達目標およびテーマ
(1) 多変数関数の停留点を求めることができ、その停留点が極大点または極小点であるかを判別することができる。
(2) 汎関数の意味を理解し、 オイラー方程式の導出ができる。
(3) 工学における変分原理やエネルギー原理などを理解できる。
(4) 固有値問題が理解できる。
授業の概要
(1) 多変数関数の極値問題
(3) 汎関数と基本的変分問題 -
(4) オイラー・ラグランジュ方程式
(5) 具体的な変分問題への適用
(6) 物理・工学における変分法の役割
(7) 常微分方程式の固有値問題
生体電気工学 辻 敏夫
人間を電気システムとしてとらえ、その電気的入出力メカニズムの生理学的、精神物理学的基礎を学ぶとともに、人間がかかわるさまざまな問題、事例を人間工学的観点から解説する。本講義の受講により、学生は生体電気工学の考え方、生体の電気工学的理解、生体電気特性、人間工学の適用法を習得することができる。
鉄筋コンクリート構造 寺本 篤史
鉄筋とコンクリートの材料特性および梁、柱の水平、鉛直部材の基本的な力学的特性と設計法に関して計算例、設計例を具体的に解説し、基礎的知識を確実に習得させる。以下の知識と能力を習得することを授業の目標とする。
(1) 鉄筋コンクリート構造における許容応力度設計法の概念を理解できる。
(2) 曲げと軸力を受ける部材断面の曲げモーメントと曲率の関係を計算できる。
(3) 曲げと軸力を受ける部材の終局強度を計算できる。
(4) 曲げ及び軸力受ける部材の曲げ補強を設計できる。
(5) せん断を受ける部材のせん断補強を設計できる。
材料力学 半井 健一郎
本授業では、力のつり合い、応力、ひずみについて説明し、梁やトラスなどの構造物の設計の基礎を学ぶ。
材料力学 深澤 智典
化学工業における機器類、高い塔、円筒槽、圧力容器、円管の設計に必要な基礎知識、建て屋などにおける強度の概念、はりあるいは平板の曲げ、棒のねじり等材料力学の基礎および実験応力解析法の基礎について学ぶ。以下の基礎知識と能力を習得することを授業の目標とする。
(1) 静力学の基礎を理解し、力学で用いる単位を修得する。
(2) 材料力学の基礎である応力とひずみ、材料の機械的性質、応力一般を習得する。
(3) 棒の引張と圧縮を理解し、引張・圧縮・せん断応力、熱応力などを計算できる。
(4) 薄肉圧力容器に生ずる応力を理解し、各種の応力を計算できる。
(5) はりの種類を理解し、曲げモーメント、せん断力図を求めることができる。
(6) 組合せ応力を理解し、平面応力、剪断応力、主応力を計算できる。モールの応力円などを描ける。
(7) 柱の圧縮を理解し短柱、長柱の座屈、オイラーの座屈加重を計算できる。
(8) 応力集中と応力測定法を理解し、応力集中計数、応力測定法を原理・意義を習得する。 なお、「知識・理解」、「能力・技能」の評価項目は、上記の授業の目標・概要に書かれた内容について評価を行う。
機械材料I 松木 一弘
鉄鋼材料は、機械構造用材料として多量にまた広範に利用されている重要な材料である。本講義では、「材料科学」の授業で習得した知識を基礎に、以下について修得する。
(1) 鉄鋼材料の機械的性質が化学成分や組織とどのように関連しているかを理解する(B)。
(2) 各種の熱処理や表面処理によって機械的性質を改善・調整できる原理を学び、機械・構造物の目的と性能を十分に発揮させるために必要な材料処理法および材料選択法を修得する(B)。
(3) 鉄鋼材料に関する基礎知識と問題解決能力を養う(B)。
粘性流体と乱流の力学 陸田 秀実
到達目標に基づく本授業の目標は以下の通りである。
(1)輸送機器周りの粘性流体に関して、知識・理解を深め、関連の問題解決ができる。
(2)輸送機器周りの境界層に関して、知識・理解を深め、関連の問題解決ができる。
(3)輸送機器周りの乱流現象に関して、知識・理解を深め、関連の問題解決ができる。
化学工学量論 矢吹 彰広
化学プロセスの基本的理解とその定量的な把握のために必要な物質およびエネルギー収支の取り方、量論関係の扱い方を学ぶ。本講を受講することにより、化学技術者として必要な化学プロセスの全体像を把握する手法の基礎を習得できる。この手法は単に化学工業のみならず、各種の製造業、バイオ関連産業、エネルギー関連産業などほとんど全てのプロセス工業に共通な基礎的手法の一つである。
なお、「知識・理解」、「能力・技能」の評価項目は、下記のとおりである。
(1) 化学プロセス計算について理解する。
(2) 物質量の取扱いと単位系について理解する。
(3) 理想気体と実在気体のPVT関係について理解する。
(4) 化学プロセスの物質収支計算を理解する。
(5) 物理状態変化とエンタルピー収支計算を理解する。
化学装置設計・実習 矢吹 彰広
化学技術者として必要な基礎的な製図法および設計法を説明し、簡単な製図と設計問題を演習させる。またCADによる作図実習、授業と並行して少人数グループで工作実習を行う。本実習により、学生は基本的な化学装置の性能設計計算および製作製図ができるようになる。
なお、「知識・理解」、「能力・技能」の評価項目は、下記のとおりである。
(1) 製図法規を習得し、初歩の図面を書くことができる。
(2) 製図法に基づいた文字、数字、ローマ字を書くことができる。
(3) 立体図を第三角法で製図することができる。
(4) ボルト、ナットの組立図を製図することができる。
(5) フランジを設計し、製図することができる。
(6) CADを用いてフランジ、ボルト、ナットを製図することができる。
(7) 熱交換器の性能設計を行い、それに基づいて部品図および組立図を製図することができる。
(8) 芯出し作業、タップ立て作業、金鋸作業を行うことができる。
(9) 工作機械(フライス盤、ボール盤、コッターマシン)の操作を行うことができる。