平成30年6月19日(火) 、第57回コンソーシアム人材セミナー「三島食品における 研究・開発業務の事例紹介/三島食品株式会社 研究所 中村 聡 氏による講演」を開催しました(参加者52名)。
概要
セミナーは「三島食品における研究・開発業務の事例紹介」と題して行われました。
始めに、講師である中村 聡 氏より三島食品(ミシマホールディングス)の会社概要や、基本理念・方針、そして国際展開や主要製品についてお話頂きました。そして、三島食品が立ち上げた介護食ブランド『りらく(Re:楽)』を題材として、製品開発に至った発想や、商品開発手順・方策といった具体的な研究・開発事例の紹介をしていただきました。特に、“食事は五感で楽しむ”をテーマに、歯茎で潰せる軟らかな介護食であるにもかかわらず、見た目が変わらない惣菜や素材を発明・製品化していくプロセスから、三島食品が掲げる“食べることの楽しみに答える手軽な商品を作りたい”という強い思いを教えていただきました。また、現場(介護や医療機関の栄養士)の意見を基に、社会に必要とされる商品開発を行う事例から、研究視点と現場視点を共有する重要性も教えていただきました。最後に、りらく製品である「きんぴらごぼう」や「たけのこ」、そして「たくあん漬け」の試食会を開いていただき、最先端の介護食を実体験しました。
参加した学生から参加者の感想(一部)
(1) 講師が所属する企業・組織の経営理念や活動内容などについて、「共感」した点
- 食について、味や品質だけでなく見た目についても深く追求し、食事のプロセス全てを満足させるというホスピタリティーに共感した。(理学研究科 男性)
- 高齢者に向けた商品展開している点は今後の世の中の流れに合っていると思う。自分も食品メーカが今後そういった取り組みをした方が良いと思っていたので共感した。(生物圏科学研究科 男性)
- 三島食品は今まで、ふりかけを扱う食品メーカだと思っていました。しかし、今回紹介して頂いたように、介護食に注力している会社と初めて知りました。たしかに、日本の高齢化を考えるととても重要な分野だと思いました。(生物圏科学研究科 男性)
- 楠の理念で長く続く事によって商品を幅広く伝えて行けると思います。子供のころに食べた物を大人になった時、自分の子供に同じ美味しさを伝えられれば素晴らしい事だと思います。B面活動など仕事が楽しそうで、それをお客様に伝える楽しみを味わえる会社だと思い入社したい。(先端物質科学研究科 男性)
(2) 講演やディスカッション内容に関する感想・印象に残ったこと
- 一番印象に残ったことは、酵素を使うことで食べやすくした“りらくシリーズ“の話に興味を持った。(生物圏科学研究科 男性)
- 青のりの収穫量がこんなにも激減しているとは思わなかった。収量に最も影響を与える要因を研究する事は重要であると感じた。青のりの用途は今まで考えたことが無かったが、ここまで激減しているので、どんな所で最も用途があるのか知りたくなった。(生物圏科学研究科 男性)
- いつまでも食を楽しみ生きる心身の糧にしていきたいと思うので、“りらくの商品”は非常にお年寄りの方々にとっては嬉しいことだと思います。今後更なる商品展開も楽しみです。(先端物質科学研究科 男性)