【2018/07/17開催報告】第59回コンソーシアム人材セミナー「ヒトを彩るサイエンス(株式会社資生堂)」を開催しました。

 平成30年7月17日(火) 、第59回コンソーシアム人材セミナー「ヒトを彩るサイエンス / 株式会社資生堂 石舘 周三 氏による講演」を開催しました(参加者65名)。

概要

本講演は、株式会社 資生堂 GIC統括運営部 人材開発グループ マネージャー 石館 周三氏を講師として、「ヒトを彩るサイエンス」と題して行われました。まず、石館氏より株式会社 資生堂について、その経済規模がアジアNo.1であり世界No.4であること、そして資生堂は洋風薬局を基盤として成り立っていること、そして、現在の近年売り上げを増加させ1兆円企業になっていることなど、ご説明いただきました。そして、企業としての目標について1)Art & Design, 2)Technology & Science, 3)Human Centric, 4)Japanese Aesthetics, 5)OMOTENASHI といった5要素に焦点を当て,取り組んでいることについて具体例を挙げながら、説明いただき、分かりやすく企業の理念やその経営方針をお教えいただきました。特に、企業としてArt&DesignやTechnology&Scienceといった領域では、100年以上に渡って意識を高く持ち続けており、それが他社と比較した資生堂の強みであるという言葉や、社員の大部分が資生堂を愛し、離職率が低いということも教えていただき、企業人として自社を愛し、自社から社会に貢献していくという企業としての強い思いを感じました。そして、石館氏が在籍したR&D部門に関して、資生堂のR&D方策について世界各国で行ってきた方策や、石館氏が心掛けてきた観点を教えていただき、Scientistsとしてだけでなく、経営者(運営者)として考えなければならない点があることを身に染みて考えさせていただきました。そして、最後に石館氏のキャリアを通して、先生の体験や資生堂として新入社員に求めるポイントを教えていただき、これから就職活動に臨む学生や研究員への糧を与えていただきました。
講演後の質疑応答では、所定の時間以上に質問やアドバイスを求める学生や研究員の姿が多く見られ、活発な議論や質疑応答が行われていました。

参加した学生から参加者の感想(一部)

(1) 講師が所属する企業・組織の経営理念や活動内容などについて、「共感」した点

  • 会社が持つ強みに日本ならではの感性や気遣いが含まれていて、日本人として素晴らしいと感じました。「美しい生活文化を創造」するための活動を知ることができ、今後はもっと中身を知った上で、商品を使わせて頂きたいと思います。(理学研究科 女性)
  • 長い歴史を持つ資生堂ですが、進化し続けているのだなと感じました。今後の展望としてお話されていたパーソナライズ・ビューティーに共感しました。(生物圏科学研究科 女性)
  • 企業理念の中に、“化粧品”という言葉が一切使われていないのは、“化粧品”は私生活を豊かにする一つの手段に過ぎないからであり、重要な事は美しい生活文化を創造する事であるという点に共感しました。(生物圏科学研究科 男性)
  • 資生堂の4つの強みの内の一つである「Art&Design」の大切さに共感しました。(教育学研究科 女性)
  • 資生堂は化粧品会社のイメージがとても強いが、企業としては化粧品としてではなく、「美」を通じて社会に貢献したいう理念に共感した。(生物圏科学研究科 男性)
  • 資生堂さんの持っている、美しい生活・文化を人々に提供したいという思いは、私の持っている“人が自分らしく生きられる社会を作りたい”という思いと似ていました。(生物圏科学研究科 女性)
  • 資生堂といえば化粧品のイメージがありましたが、化粧品以外からの様々な角度から“美”へのアプローチがあることを知りました。またグローバルな活動も素晴らしいと思いました。(生物圏科学研究科 女性)
  • 企業理念である“美しい生活文化を目指す”というのは、単に化粧品という外見を彩るものだけではなく、ヘルスケア、レストランというような中身や生活を彩るものも含まれるというところに様々な事業を展開している資生堂の強みを感じた。(生物圏科学研究科 女性)
  • 「化粧品があってもなくても、死ぬことは無い」と言う言葉。結局は自己を満足させるため、生活の質を高めたいがために、化粧品をツールの一つとして利用しているのだな、と共感した。家庭科教育もないがしろにされがちだが、同じように生活の質を高める、目指すための一つの価値感を提供できる方法だと思う。(教育学研究科 女性)

(2) 講演やディスカッション内容に関する感想・印象に残ったこと

  • 普段、化粧品や美容品にはあまり注目したことが無かったのですが、改めて会社の理念や取組を知ることができ、生活の中で見ていた商品の凄さやプロ意識を感じました。(理学研究科 女性)
  • 商品は良く知っている資生堂ですが、多岐にわたる業務や研究開発について学べてとても有意義でした。またキャリアについてもお話いただき、将来の進路について勉強になりました。(生物圏科学研究科 女性)
  • ガンなど人々の生活に支障をきたすものに対しては国から資金が出るが、化粧品などはシミが出たり、頭が禿たりしても死ぬことは無いため、資金はあまり出ない。それ故、我々がやるしかないとの強い使命感を感じました。(生物圏科学研究科 男性)
  • リーダーとボスの違いについて納得させられました。リーダーシップは誰でもとれる、リーダーは誰でもなれる点が印象に残りました。(教育学研究科 女性)
  • 化粧品といっても様々な技術が関係していることが印象に残った。(生物圏科学研究科 男性)
  • 講演中に流れた、男性の方が女性になっていた(化粧品)というビデオはとても印象的でした。化粧品の持つ可能性の大きさと発想の面白さを感じました。(生物圏科学研究科 女性)
  • グローバルな活動が印象的でした。社内の公用語が英語になったという事から、これからの時代は英語が必須であることが改めて感じ、より勉強しなければならない。(生物圏科学研究科 女性)
  • シミ・ソバカスなど皮膚研究に、命には関わらないけれど、美しくありたいという人間の欲に寄り添うような研究というところに、改めて化粧品業界の立場を思い知らされた。(生物圏科学研究科 女性)
  • 様々な科学分野・技術要素で化粧品等を作っていることが印象的であった。私は、アルツハイマー病、老化に関わるトランスサイレチンや官能評価(ココロスケール)の研究をしているが、活かせる点があるのではないかと思い、興味を持ちました。(教育学研究科 女性)


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