【2018/10/9開催報告】第61回コンソーシアム人材セミナー「鉄鋼 ~究極のテクノロジー~(新日鐡住金株式会社)」を開催しました。

 平成30年10月9日(火) 、第61回コンソーシアム人材セミナー「鉄鋼 ~究極のテクノロジー~ / 新日鐡住金株式会社 米村 光治 氏による講演」を開催しました(参加者42名)。

概要

新日鐵住金株式会社 技術開発本部先端技術研究所 米村 光治 さんに「鉄鋼 ~究極のテクノロジー~」と題して講演していただきました。

製造業は今の日本産業を支えています。その中で鉄鋼業は特に大きな割合を占め、広く社会に貢献しています。また、資源から消費者につなぐとき、素材産業として資源からガラス・化学・その他材料に変換する役割を担っています。鉄鋼業がうまく機能していなければ、そこから先の自動車や家電など、私たちが日常で使っているものへとつながりません。つまり、鉄鋼業は製造の基礎として重要視されています。世界は鉄でできている、といわれるほど鉄はたくさん存在しており、世界中で研究が行われてきました。しかし鉄の強度範囲は理論強度の半分程度しか引き出せておらず、まだまだ開発の可能性を秘めているという、面白い分野です。その可能性を引き上げるためには、様々な科学の知識を基礎として研究開発を行わなければなりません。

米村さん自身、大学の基礎研究に近い研究を行われています。X線や電子線を用いることで、金属の相変態について調べられています。大学では半導体の研究をされており、就職後もその経験を活かすことのできる仕事をされていましたが、社会人ドクターとして学位を取得後は、鉄鋼の研究で活躍されています。人生というのはどうなるのか分かりません。出会いや経験が大事で、そのときそのときの自分の意思を頼りに進むべきだとおっしゃいました。

また、学生へ向けてのメッセージとして、「夢ではなく目標を持ってください」と伝えられました。夢というのは、そうなったらいいなという希望であり、実現してもしなくてもよいものですが、目標は必ず達成しなくてはいけないものです。目標を達成するためには、道筋を立てて考えることや、仕事での成果を残すためにまずは自分を知ることが重要だと教えていただきました。

参加した学生から、講演やディスカッションの内容に対する感想(一部)

  • 【講義】鉄を突き詰めていけば今とは違った世界が見えそうで、興味深く聞かせていただいた。
    【ディスカッション】CO2を投資の対象にしている事実には驚かされた。(理学研究科 男性)
  • 鉄鋼に関して政治的な背景を交えた話が聞けたことは大変為になった。一度鉄鋼所の見学にも行ってみたいと思う。(理学研究科 女性)
  • 資料や解説がわかりやすかった。企業で研究することの意義を理解できた。(理学研究科 男性)
  • ディスカッションをするにあたって、もっと積極的に意見を出せるようになりたいと感じた。
    (理学研究科 女性)
  • 年収や実際に行っている研究内容が聴けてよかった。(学部生 男性)
  • 目標を持つことによって、するべきことが見えてくるという言葉が大変印象に残った。
    (理学研究科 男性)


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