令和元(2019)年6月12日、第73回コンソーシアム人材セミナー「ものづくりと技術―日本の鉄鋼業から―」を開催しました。
【講 師】日本製鉄株式会社 髙橋 学氏
【参加者】32人
概要
講師の髙橋 学氏は、大学院で物理(原子核物理)を研究、入社後は一貫して研究開発に従事し、主に、自動車用高強度鋼板の開発実用化に注力してこられました。
セミナー冒頭では、「ものづくりが日本人の生活の源泉である」ことを説き、日本の鉄鋼業や同社の研究開発についてのお話がありました。また、アカデミックの世界と企業とを比較しながら、企業にとっての財産は「人」であり、一人の優れた力のみではなく、「総合力」が求められていること、企業が期待する資質の中でも、「原理原則に基づいて現象を理解し、新たな分野に挑戦しつづけるマインド」や「人に説き聞かせるコミュニケーション力」が重要であること、そして同社の自動車研究開発現場を例にとり、各社員が機械・材料・物理・化学・生物などそれぞれの専門家であり、多様な活躍の場があることを示されました。約1時間の講演の最後では、髙橋氏より聴講学生へ次のメッセージをいただきました。『次の世代を生きる人々が日本国内で充実した生活を送り続けるために、技術とものづくりで,私たちの国の価値を永続的に保持し続けていってほしい。焦らず、着実に、自らの考えを具現化してほしい。』
セミナー最後に設けた30分のディスカッションでは、ライフサイクルアセスメント(LCA)について触れ、「製品の製造から廃棄までの総合負荷としてCO2を考慮する必要があること」について全員で考える時間となりました。
参加者の感想 (一部抜粋)
- CO2の排出量削減のためにはどこを注意すべきなのか、ディスカッションを通して考えることができて勉強になりました。 (理学研究科 女性)
- 本格的にディスカッションをしたかった。講演は素人にもわかりやすく丁寧でよかった。 (学部生 男性)
- 企業も公共団体も考えていることは同じ、という印象を持った。 (生物圏科学研究科 男性)
- 文部科学省の組織はどのような仕組みになっているかということ。(学部生 女性)
- 役所の編成を度々変えていること(理学研究科 男性)
参加者の印象に残ったこと (一部抜粋)
- 企業は人という理念 (生物圏科学研究科 女性)
- 新入社員など、教育や育成に力を入れている点 (統合生命科学研究科 男性)
- 日本を維持するための造る力の発展の必要性 (医系科学研究科 女性)
- 必要とされる能力が研究する際の能力に当てはまっていること (教育学研究科 男性)
【お問い合わせ先】
広島大学グローバルキャリアデザインセンター(担当 宮地,都留,福見)
E-mail:wakateyousei(AT)office.hiroshima-u.ac.jp
*(AT)は半角の@に変換してください。
TEL:082-424-4564