【2021/12/15開催報告】第123回コンソーシアム人材セミナー「企業の研究所で基礎研究畑を歩んでみて・・・(日本製鉄株式会社)」を開催しました

2021年12月15日、第123回コンソーシアム人材セミナー「企業の研究所で基礎研究畑を歩んでみて・・・」を開催しました。

【講 師】日本製鉄株式会社 先端技術研究所 森口 晃治 氏
【参加者】26人

概要

森口氏は修士(理論固体物性)取得後、住友金属工業株式会社(現日本製鉄株式会社)に入社し、鉄鋼業の研究所で、計算機シミュレーションを使った基礎研究畑を歩まれています。この間、十数本の論文を仕上げて工学博士(論文博士)を取得されています。また、2018年度からは東北大学大学院 環境科学研究科の客員教授も兼任されています。

セミナーでは、最初に、研究開発拠点として3研究所と7ワークスラボを全国的に有し、鉄材料、製鉄プロセス、新材料・環境等の先端技術の研究を行っている同社について紹介がありました。また、鉄鋼業界について、成熟産業と思われがちだが圧倒的な安さと加工・リサイクルの優位性等から、今後も需要は伸び続けること、職業としてはあらゆる要素技術の集合体であり75%以上が材料系以外であること、鉄の永遠のテーマは「伸び」と「強さ(切れない)」の両立等の説明がありました。

次いで、森口氏のキャリアを踏まえたアドバイスとして、3つの研究開発フェーズ(基礎、応用、開発)のうち、何をしたいかを早めに見極めることの必要性、論文執筆の重要性、そして特許を重要なアウトプットに考えることを挙げられました。また、変化が大きく、近未来ですら予測できない現在では強いメンタルが必要であるとも話されました。

最後に、森口氏の入社した1991年以降、日本経済がいかに停滞しているかを説明のうえ、最近の日本の若者はスポーツ界等で世界的に活躍していることに着目し、昔の若者(親世代)と今の若者のどこが違うのか、大成功を収めている秘訣は何かをテーマにグループディスカッションを行いました。

参加者の感想 (一部抜粋)

  • VUCA時代であることを理解し、適応する必要性を感じました。(先進理工系科学研究科、博士課程後期)
  • 研究開発でも、どの段階(基礎研究, 応用研究, 開発研究)を自分が好きかを早い段階でわかっておくと良いということが印象に残った。(HIRAKU連携機関、博士課程後期)
【お問い合わせ先】

広島大学グローバルキャリアデザインセンター(担当 宮地、福見)
E-mail:wakateyousei(AT)office.hiroshima-u.ac.jp
*(AT)は半角の@に変換してください。
TEL:082-424-4564


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