【2022/6/15 開催報告】第135回コンソーシアム人材セミナー「活躍できる博士になるには(株式会社アカリク)」を開催しました

2022年6月15日、第135回コンソーシアム人材セミナー「活躍できる博士になるには」を開催しました。

【講 師】株式会社アカリク 神中 俊明 氏
【参加者】31人

概要

講師の神中氏は、理学博士を取得後、研究員として大学や研究所で働いてこられました。
現在は㈱アカリクにて大学院生をはじめとする対研究者のキャリア面談や法人営業に従事する企業人としての顔を持つ一方、研究員としてもご活躍中です。

はじめに,㈱アカリクの最近の取り組みについてご紹介いただきました。文部科学省と連携して博士課程学生向けの有給の研究インターンシップ「ジョブ型研究インターンシップ推進事業」やJREC-INと連携して高度人材を探す企業と研究者を繋げる「アカデミスト学会・アカリク賞」などが実施されています。
取組の背景として,大学院卒の人材が希少な存在であり,就職活動における相談の場やロールモデルが少ない実態,そして研究分野によっては産業界のニーズとのギャップが大きいという実態を説明されました。

次に、産業界で活躍できる博士になるための鍵を2つ示されました。
1つ目は,視野の拡大です。例えば,大学院ではブラックホールについて研究しているが,産業界ではブラックホールを専門とした仕事はない場合,近接領域にも視野を広げて「宇宙関連」の仕事に目を向けてみることができるかどうかが鍵になるそうです。
2つ目は,大学院生活で得られる能力のメタ認知です。例えば,共同研究を作る行動力やコミュニケーション力,論文を読む際の論理的・批判的に思考・考察する力,学会などで第三者に伝える発表力,複数の研究を臨機応変に実行していくスケジュール管理能力などは,大学院卒の人材が持つ長所であり,民間就職でのアピールポイントになるそうです。こうした能力の中で,自身の能力の得意分野(特性)とともに不得意分野(限界)も知るチャンスが大学院生活の中では多様に存在すると話されました。

また,大学院から民間就職する際の壁も4つ示されました。
1つ目は「学位取得・論文執筆という第一目標から見た就職活動の優先度」,2つ目は「大学院は研究するところという雰囲気」,3つ目は「産業界で活躍するロールモデルの不在」,4つ目は「実行中の研究をストップしてしまうことに対する責任感・罪悪感」です。いずれの壁に関しても,参加者は大きく頷いていました。

(広島大学大学院人間社会科学研究科博士課程後期2年 玉井 慎也 作成)

【お問い合わせ先】
広島大学グローバルキャリアデザインセンター(担当 宮地、田中、福見)
E-mail:wakateyousei(AT)office.hiroshima-u.ac.jp
*(AT)は半角の@に変換してください。
TEL:082-424-4564


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