【2022/7/13 開催報告】第137回コンソーシアム人材セミナー「イノベーションのための多様なキャリア形成:統合型人材のススメ(コニカミノルタ株式会社)」を開催しました

2022年7月13日、第137回コンソーシアム人材セミナー「イノベーションのための多様なキャリア形成:統合型人材のススメ(コニカミノルタ株式会社)」を開催しました。

【講 師】コニカミノルタ株式会社 技術フェロー 北 弘志 氏
【参加者】28人

概要

講師の北氏は、修士号取得後就職され、社会人として博士(理学)を取得されています。現在は、技術フェロー 技術開発本部先進コア技術センター長としてご活躍されています。
コニカミノルタ株式会社は、「新しい価値の創造」を経営理念とし、顧客や社会に「新しい価値」を創造、提供することで、より質の高い社会を実現する「課題提起型デジタルカンパニー」として活動しています。

はじめに、コニカミノルタ株式会社の新規事業などの紹介がありました。
介護施設の「高齢者の転倒防止」のため、人の関節を認識して姿勢を解析する技術を用いて、転倒シーンを推定することで介護士の業務をサポートするケアサポートソリューションが創出されました。この技術は、学校で子どもや教師の発言や視線を分析し、ふり返りのためのフィードバックを提供するエデュテック(Edtech)事業に展開されています。参加者は、理系・文系を問わず、興味深く傾聴していました。

次に、「いかにイノベーションを興すか?」について、3つのポイントの説明がありました。

1つ目は、「Industry 4.0」や「Society 5.0」というイノベーションの方向性をしっかり掴むことです。「必要な時に、必要な人に、必要な分だけ」という、ユーザー・ベースの効率化・個別最適化された社会、そのためのイノベーションに取り組む会社が求められています。就職先を検討する際には、経営理念やキャッチフレーズを分析し、自分自身のキャリアの方向性と合致しているか考えることが大切だと助言がありました。

2つ目は、演繹法・帰納法・仮説推論をうまく活用することです。北氏は、ルール(理論)の的確な理解に必要な演繹法、ビッグ・データを分析するために必要な帰納法、仮説の立て方(ひらめき)と検証に必要な仮説推論(アブダクション)の3つの思考法によって、感度と定量性に優れた新たな免疫染色法(がん細胞の調査など)というデータ駆動型開発を進められてきました。

3つ目は、物事を本質から考える(源流に遡ること)、「サイエンスの目」を持つこと(原理を発見すること)です。北氏は、博士(学位)を取得する意義について、超スマート社会で活躍する人財像「複数の基礎を学び、高い専門性を基軸に非専門領域を取り込む人」と重なる点があると示唆されました。博士課程後期の大学院生に、専門性の壁を越えるためには多様な人と協働できる力が重要な一方、組織の壁を越えるためには個人の力も重要だとメッセージを送られました。

(広島大学大学院人間社会科学研究科博士課程後期2年 玉井 慎也 作成)

【お問い合わせ先】
広島大学グローバルキャリアデザインセンター(担当 宮地、田中、福見)
E-mail:wakateyousei(AT)office.hiroshima-u.ac.jp
*(AT)は半角の@に変換してください。
TEL:082-424-4564


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