【2022/7/27 開催報告】第138回コンソーシアム人材セミナー「グローバル社会における『開発コンサルタント』の未来と可能性(株式会社コーエイリサーチ&コンサルティング)」を開催しました

2022年7月27日、第138回コンソーシアム人材セミナー「グローバル社会における『開発コンサルタント』の未来と可能性」を開催しました。

【講 師】株式会社 コーエイリサーチ&コンサルティング 松原 彩子 氏
【参加者】27人

概要

講師の松原氏は、高校時代から男女格差やジェンダーをめぐる社会問題に疑問を持ち、その解決に当たる国際機関への憧れから、社会学の修士号を取得し、日本工営株式会社などを経て、現在は株式会社コーエイリサーチ&コンサルティング 営業企画部長兼コンサルティング事業部保健医療グループリーダーとして活躍されています。

講演では、まず、「開発コンサルタント」は、「援助実施機関が発注するプロジェクトを、競争を経て受注・契約し、実際に開発途上国で計画立案・設計、技術移転等を行う仕事」であると説明がありました。
途上国支援のあり方・関わり方には様々なタイプがあり、①国際協力機構(JICA)は政府開発援助(ODA)資金を活用して途上国の社会的課題の解決を目指し、②NPOやNGOは民間資金から途上国の社会的課題の解決を目指します。③開発コンサルタントは、大学・民間企業・自治体・NPOなどと連携し、途上国の現地において「人づくり・仕組みづくり・モノづくり」を促していきます。
株式会社コーエイリサーチ&コンサルティングは、フィリピンにおける母子保護活動、モンゴルにおける病院運営支援活動、モロッコやラオスにおける初等中等高等教育支援活動、スーダンにおける平和構築活動など、過去20年間で約1400件もの案件に携わっています。

開発コンサルタントの活動の流れについても説明がありました。
政府間でのプロジェクトの実施方針決定→JICAによるプロジェクトの枠組みづくり・コンサルタント募集→開発コンサルタントによるプロジェクトの詳細提案書の作成・提出→JICAによる提案書の選定→JICAと開発コンサルタントとの契約→JICAはプロジェクトを監視、開発コンサルタントはプロジェクトを実施(国内調査→現地調査→JICAとの協議→報告書作成→経費精算など)

次に、松原氏自身のキャリアパスから、開発コンサルタントに必要な資質・能力について説明がありました。具体的には、当該分野に関わる専門性(修士号や博士号)、アナロジー思考や仮説思考力、論理力(課題抽出・分析・解決力)、文章力(報告書作成能力)、コミュニケーション能力などです。また、海外で活躍する場面が多く、語学力や精神的なタフさ、そして環境適応能力や異文化受容力も必要になると話されました。

セミナー参加者の中には、海外でのキャリアパスを描く大学院生も多くいるので、松原氏のキャリアパスが良いモデルケースになったと思います。

(広島大学大学院人間社会科学研究科博士課程後期2年 玉井 慎也 作成)

【お問い合わせ先】
広島大学グローバルキャリアデザインセンター(担当 宮地、田中、福見)
E-mail:wakateyousei(AT)office.hiroshima-u.ac.jp
*(AT)は半角の@に変換してください。
TEL:082-424-4564


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