【2023/1/18開催報告】第141回コンソーシアム人材セミナー「企業で博士取得者が活躍するためには」を開催しました

2023年1月18日、第141回コンソーシアム人材セミナー「企業で博士取得者が活躍するためには」を開催しました。

【講 師】株式会社日本製鋼所 富山 秀樹 氏
【参加者】22人

概要

 最初に富山氏から、株式会社日本鉄鋼所は製鉄や鉄の加工にルーツをもち、戦後、機械事業に力を入れ、プラスチック製造機は世界トップレベルのシェアを誇っていることや、広島の製作所は研究所を兼ね備えており、事業や技術の開発の拠点として機能していると紹介がありました。

 富山氏は、大学の学部時代は九州工業大学の物質工学科(応用化学系)で学ばれ、関連分野の技術者が求められていたプラスチック成形加工の研究で、博士課程後期まで進学され、博士号を取得した後、博士社員が少なかった機械系メーカー企業の風土変革や、企業の利益向上を目指し、日本鉄鋼所に入社されたと話されました。
 入社2年目に開発したソフトウェアの大ヒットのほか、フィルム製造装置の開発、AIを用いた自動化技術の開発など、社内のみならず、学界全体からも評価される成果をあげておられますが、この成果は「企業の方針に沿って努力したことが実った」と振り返られました。
 続いて、海外では博士号に対する評価が高い、と事例を挙げて紹介され、また、企業で働くメリットとして研究活動が継続できる点、専門家として社内からの理解が得られる点、昇進に有利である点を感じていると、周囲の方のお話も交えて紹介されました。
 最後に、博士人材は企業就職において、①自身の専門性が活かせる企業、②博士人材・能力を活用できる企業、③世界をフィールドとして戦おうとする企業、のいずれか、若しくは全てに当てはまる企業を選ぶことが重要性、と話されました。

 参加者からの「企業目線では、どのような博士人材を採用したいか」という質問に、専門性の高さのみならず、個性なども採用を決定づける重要な要因になり得ると話されました。
 本セミナーを契機に、アカデミアに限らない多様な進路の可能性も視野に入れ、博士人材としての社会貢献のあり方を検討してまいります。

(文責:人間社会科学研究科 博士課程後期1年 武島 千明)

【お問い合わせ先】
広島大学グローバルキャリアデザインセンター(担当 宮地、田中、福見)
E-mail:wakateyousei(AT)office.hiroshima-u.ac.jp
*(AT)は半角の@に変換してください。
TEL:082-424-4564


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