【2023/12/6開催報告】第154回コンソーシアム人材セミナー「企業は博士に何を求めているのか?(株式会社アカリク)」を開催しました

2023年12月6日、第154回コンソーシアム人材セミナー「企業は博士に何を求めているのか?」を開催しました。 

【講 師】株式会社アカリク 神中 俊明 氏
【参加者】16名

概要

講師の神中氏は、博士号(理学)を取得後、研究員として大学や研究所で働いてこられました。
現在は㈱アカリクにて大学院生を始めとする研究者へのキャリアアドバイス、ジョブ型研究インターンシップの推進、大学以降のキャリア教育などに従事しておられます。

神中氏から、博士の学生が就職活動をする上での課題を二つ挙げられました。

一つ目は「相談相手や仲間を作りにくい」ということです。

同期が少ないので、周りから事情を理解されなかったり、相談相手が少なかったりしてしまいます。従って、就職に関する情報が狭くなり、就職活動が教員からの紹介や縁故が中心になりがちだそうです。

二つ目は「自身のキャリアを考える機会の少なさ」です。

「博士を修了したい」という思いから、研究が関心ごとの中心に位置づくため、進路を考えることが後回しになってしまいます。その結果、自分が納得のいく進路決定ができなくなる可能性もあるため、早めにスケジュールを立てることを勧められました。

神中様から、実際にスケジュールのモデルやそれに関わる情報が示され、また、キャリアに関してはプランBを考え、リスクを見積もることが大事だと話されました。

さらに、博士が企業に求めるものと企業が博士に求めるものについて話されました。

博士の学生が企業に求めていることは、ここまで学んできたこと、自分の専門を活かしたいという思いが強いそうです。
企業が博士の学生に求めていることは、主体性、チャレンジ精神、論理的思考力等「トランスファラブルスキル」と呼ばれるものです。現実的な側面として、企業側は専門性をじっくりと検証できないため、「トランスファラブルスキル」や「研究活動により培われた課題設定・解決力」が重視されるとのことでした。
博士課程の学生は自己PRとして、自身の専門性や業績の話をしてしまいがちですが、それはアピールとしてあまり有効ではなく、むしろネガティブに働くこともあるとのことでした。

質疑応答では、参加者からの「「トランスファラブルスキル」などを自分自身でどのように認識したら良いか?」という問いに、自分の棚卸しをすることが重要であり、研究活動に限らず自分自身の活動を総体として捉えて認知する必要があると応答されました。

非常に実りあるご講演をいただき、ありがとうございました。
 
                       (文責:人間社会科学研究科博士課程後期3年 太田 淳平)
 

【お問い合わせ先】
広島大学グローバルキャリアデザインセンター(担当 宮地、田中)
E-mail:wakateyousei(AT)office.hiroshima-u.ac.jp
*(AT)は半角の@に変換してください。
TEL:082-424-4564


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