【2023/12/20開催報告】第155回コンソーシアム人材セミナー「大学院で身につけたことを活かして働くとは?~博物館で働く私の例~(独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館)」を開催しました

2023年12月20日、第155回コンソーシアム人材セミナー「大学院で身につけたことを活かして働くとは?~博物館で働く私の例~」を開催しました。

【講 師】独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館 内尾 優子 氏
【参加者】64人

概要

講師の内尾氏は、博士号(理学)を取得後、国立科学博物館に管理系職員として採用され、2023年4月に東京国立博物館に異動されています。

先ず、自己紹介と就職のきっかけについて話されました。

内尾氏は博士課程後期に、夏休みの小学生向けイベントなどに参加し、科学を分かりやすく伝えることの重要性を感じ、科学研究の興味深さを伝えたいと想い、伝えるための基礎知識、資格を持っておきたいと教員免許を取得し、専門を持つことは重要と博士号を取得されました。
国立科学博物館では広報、著作権、契約、評価などの実務を経験され、学芸員資格も取得されています。

次に、博物館で働くということについて紹介がありました。

東京国立博物館、国立科学博物館は、国民のため、公衆に向けた、という観点で仕事を担い、幅広な視点を踏まえて具体的な業務内容が検討されています。また、博物館は「古いものがたくさん保管されている」というイメージですが、現在の標本・資料を情報とともに適切に保存し、次世代に引き継ぐ役割を担っていると説明がありました。

内尾氏は展示館の業務や広報、最新研究の現場を伝える「研究活動」の広報などを担当されましたが、大学院で「身につけたこと」を活かして働くにはどうすれば良いかについて話されました。


第一に、自分がいる状況下で自分を活かせる役割を考えること。

第二に、どういう働き方をしたいのか、研究にどのように関わるのか、というように、自分のキャリアについて自己分析すること。

第三に、公的機関とはいえ社会の変化とともにその役割や重要性も変化するので、そうした変化を理解・把握し、その変化に応じてバージョンアップを図ること。

最後に、領域を超えて活躍するためには、自分の専門分野についてわかりやすく伝えることが重要であり、そのために+αの技術を身につけること。


以上を踏まえ、磨くべき資質、能力として、次の3点を挙げ締めくくられました。

先ず「コミュニケーション能力」。具体的には、他分野の方にもわかりやすく伝える表現力、そしてギブアンドテイクを成立させるためには何がポイントかを見出す能力が必要です。

第二に、「新しいことにチャレンジして開始する能力」。そのためには、情報収集能力、クリエイティブな発想、推進力が必要です。

最後に、思わぬ変化や移動を楽しめる姿勢も大切です。
 
                       (文責:人間社会科学研究科博士課程後期3年 太田 淳平)
 

【お問い合わせ先】
広島大学グローバルキャリアデザインセンター(担当 宮地、田中)
E-mail:wakateyousei(AT)office.hiroshima-u.ac.jp
*(AT)は半角の@に変換してください。
TEL:082-424-4564


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