【2024/1/17開催報告】第156回コンソーシアム人材セミナー「コンサルとシンクタンク、学術研究は何が違うか」を開催しました

2024年1月17日、第156回コンソーシアム人材セミナー「コンサルとシンクタンク、学術研究は何が違うか」を開催しました。

【講 師】EY新日本有限責任監査法人 吉澤 剛 氏
【参加者】15人

概要

吉澤氏は、国内大学で修士課程を修了後、民間シンクタンクへの就職を経て、海外で科学技術政策博士を取得されました。国内外の大学で勤務され、現在はEY新日本有限責任監査法人でご活躍されています。

はじめに、吉澤氏が勤務されている法人に関する説明がありました。


様々な企業の監査を担当する第三者機関として活動する同社は、全世界に約40万人の構成員をもち、「よりよい社会の構築を目指して」を理念に、企業と伴走しながら活動する世界的な企業です。

吉澤氏は、会計監査の部署などと並び、独立した部署である気候変動・サステナビリティサービス(以下、CCaSS)のマネージャーとして活躍されています。
主に①「社会適応性・公正性」と、「創造性・成長性」という一見相反する観点を活用しながら、クライアントの要望に応える調査・研究を行っている、②異なる専門性をもった構成員で成るチームで協働し、業務にあたっている、と話されました。

Japan CCaSSでは、コンサルタントとしての基礎スキル、プロフェッショナルとしての専門性、グローバル対応のための語学力をもつ人材が求められています。

吉澤氏は、学部生時代には理工学部物理学科で学ばれ、修士課程から文転されました。一度はシンクタンク系コンサルティングファームに就職されましたが、業務をとおして専門性を磨くことの必要性を認識され、海外の大学院で修士号・博士号を取得されました。その後長らく大学を拠点に研究活動をされていましたが、市民社会組織とのかかわりをもたれるなかで、学術知を社会に活かすことを目指され、再び民間でコンサルティング業にあたることになったと話されました。


最後に、「コンサルティング」は、①コンサルティングファームにも多様な種類があること、②シンクタンクや大学などにおける学術研究との違いにふれながら、コンサルティングにはクライアント対応や柔軟性が必要であること、と説明されました。

「イノベーション」を目指し、コンサルティングをとおしてどのようにかかわり、働きかけることができるかについて、「イノベーションの3つのフレーム」に応じた具体を提示して締めくくられました。

吉澤氏は講演の冒頭で、参加者から「コンサルティング業界全体の概況が知りたい」「コンサルティング業務の具体が知りたい」などの要望を収集されました。参加者のニーズに応じ、ご自身の経験をお話される吉澤氏から、日々の研究活動をとおして博士課程の学生の多くが修得している「学術的な対話」の技術を、自然なかたちで実践されているすがたを垣間見ることができました。

変動的な社会のなかで、博士人材としてどのように活躍することができるか、今後も検討してまいります。

 
                        (文責:人間社会科学研究科博士課程後期2年 武島  千明)
 

【お問い合わせ先】
広島大学グローバルキャリアデザインセンター(担当 宮地、田中)
E-mail:wakateyousei(AT)office.hiroshima-u.ac.jp
*(AT)は半角の@に変換してください。
TEL:082-424-4564


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