【2024/1/31開催報告】第157回コンソーシアム人材セミナー「養殖研究における博士号取得者の強み」を開催しました

2024年1月31日、第157回コンソーシアム人材セミナー「養殖研究における博士号取得者の強み」を開催しました。

【講 師】株式会社ニッスイ 森島 輝 氏
【参加者】23人

概要

森島氏は、北海道大学で博士(水産科学)を取得後、大学でのポスドク研究員を経て、現在は株式会社ニッスイ 中央研究所 大分海洋研究センターのセンター長としてご活躍されています。

はじめに、ご自身が博士課程に進学された理由について説明がありました。

幼いころから水中生物への関心が高く、ご自身の性格とも照らして「水産」を冠する学部に進学し、ドジョウの研究で高い研究業績をあげられました。
はじめはアカデミアに就職されましたが、ご自身の研究成果を社会実装することを目指し、企業就職というキャリアに方向転換されました。
入社当初与えられた研究テーマを計画的に早々と終わらせ、ご自身のやりたい研究テーマである「ブリの育種」に関する研究を行ってきたと話されました。

株式会社ニッスイは、水産事業だけでなく食品・物流・ファインケミカル事業も担っており、事業を通して海外との繋がりも強いと話されました。

また、R&Dが会社の強みであるため、博士人材が歓迎される企業だが、背景には、クルマエビ研究の権威である藤永元作氏の研究業績があると説明されました。
株式会社ニッスイに勤務する博士人材がどのような働きかたをされているかについても、実例をもとに紹介がありました。

企業で働くうえでの博士号取得者の強みについても話されました。

博士人材である森島氏は、中長期活動の原動力として貢献されていますが、博士論文の執筆などを通して中長期的視野が養われる博士人材は、現代の企業が抱えるニーズに応えられることを、例を挙げながら説明されました。
博士論文の執筆や学会での人脈づくり、研究計画の立案など、普段の研究活動を通して親しみのある作業やスキルが企業での業務にどう活きるのかを、森島氏の経験から具体的に知ることができました。

質疑応答では、「養殖魚と天然魚だとどちらがより美味しいのか?」「博士人材の人事はどのように企業内でマネジメントされているのか/いないのか?」「個人研究のテーマによって、採用が有利になったり不利になったりすることはあるのか?」「黒瀬ブリの技術は、ニッスイ株式会社外に持ち出すことができない状況にあるが、学界の発展のためには技術を社会に広く公開することも必要だと思う。」など、活発な応答がありました。

博士人材として、自身の能力をどのようなキャリアで社会に活かすのか。またどのような活躍のかたちがあるのか、今後も検討してまいります。

                       (文責:人間社会科学研究科博士課程後期2年 武島 千明)
 

【お問い合わせ先】
広島大学グローバルキャリアデザインセンター(担当 宮地)
E-mail:wakateyousei(AT)office.hiroshima-u.ac.jp
*(AT)は半角の@に変換してください。
TEL:082-424-4564


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