大方 芳恵(M1)

国際協力研究科 教育文化専攻-博士課程前期1年(2020年3月時点)

派遣先:ザンビア大学(人文社会科学部・言語学科)
派遣国:ザンビア共和国
派遣期間:2020.1.17~2020.3.23

1)派遣国について

 ザンビア共和国(以降ザンビア)の治安はアフリカの中では比較的安定しているといわれています。ザンビアの車(自家用・ミニバス)のほとんどが日本の中古車です。ザンビア人は日本の技術に対して評価が高く,またJICAとの20年以上に渡る交流もあって,非常に親日的です。ザンビアは,8か国と国境を隣接し,73の民族がそれぞれの民族語(73民族語(共通語は英語))をもちながら,「ONE ZAMBIA, ONE NATION」のスローガンのもとに調和し共生しています。ザンビア人は穏やかで,世話好きな人が多い印象でした。

2)現地での生活や文化について

 首都ルサカには,大型のショッピングモールがたくさんあり,生活用品,衣類,文具,本,電化製品など必要なものはだいたい手に入ります。日本食材も中華食材店に行けば,高いけれど手に入ります。主食はシマ(Nshima)というトウモロコシの粉を練ったものです。現地のレストランや学内のカフェテリアの昼食は20 -30 kwacha(160-240円)で,シマと魚又は肉と付け合わせの野菜のセットを食べることができます。ルサカは比較的電気・水道は行き届いていましたが,断水は日常茶飯事でした。インターネットも不安定ですが普及しています。休みの日には,世界三大瀑布のひとつのヴィクトリアフォールズやサファリに行くことができます。広大の土地と豊かな自然があり,20の国立公園や23の動物保護地区があり,野生動物を間近で見ることもできます!

3)派遣先について

 派遣先のザンビア大学は,ザンビアで最も古く大規模な国立大学です。大学は英語で授業が行われているため,学生とは英語でコミュニケーションできます。日本語コースは,人文社会科学部・言語学科にあります。日本の京都大学に留学経験のあるDr. Ngalandeが担当ダィレクターをつとめ,北海道大学ルサカオフィスの支援により,2016年にスタートしたまだ新しいコースです。

4)研修内容について 

 受け入れ先の担当教員とミーティングを行い,都度研修内容について相談しました。任された授業時間以外は基本的には自由なので,ダィレクターに相談しながら,授業の準備や,コース運営のサポート業務をしたり,その他の自主的な活動をしたりできる環境です。
<インターンシップで実施したこと>
・授業実施(日本語オープンクラス(大学実施の公開講座)と大学の正規コース)
・大学の正規コース日本語学科のカリキュラム作成
・自主企画活動(「広島・長崎平和展開催(原爆展)」やその他文化活動実施,現地小学校訪問, など)

5) 未来の派遣学生にむけて、事前準備や注意点などがあれば教えてください。

 アフリカへの渡航となるため,事前にVISAと予防接種を受けなければいけません。VISAは電子申請で簡単に取得できますのが,予防接種は複数回打たなければいけないものもあるので,渡航が決まったら医療機関に早めに相談(私は広島大学病院の渡航外来で受診)することをお勧めします。

6) 後輩の方々へ一言メッセージを・・・

 応募要項には,日本語オープンクラスを担当することが明記されていました。私の場合は,インターン期間は2カ月でした。日本語教育の実践をしたい方には,学習の機会の多いインターンになると思います。また,このコース以外にも,大学の正規の授業もあり,TA業務により,学習者の習得について観察することもできます。ザンビア大学での,日本語教育は,まだまだ開発途上です。定型化されていない環境で,学生と現地の先生と一緒に作り上げていく楽しさも感じることができると思います。ぜひ挑戦してみてください!


up