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Fermi衛星がガンマ線で輝く新しいパルサーを発見し、サイエンス誌に発表しました



Fermi衛星がガンマ線で輝く新しいパルサーを発見。丸印が発見したパルサーの位置。

 今年6月に打ち上げられたフェルミガンマ線天文衛星(旧GLAST)が、ガンマ線で周期的に光るパルサーをCTA1と呼ばれる超新星残骸の中心付近で発見したと最初の論文で、10月16日(日本時間17日)のサイエンス誌に発表しました。(フェルミ国際共同研究グループ共著論文)



 このパルサーはガンマ線でのみ強くパルスを発しており超新星爆発から間もない若いパルサー(年齢約1万年)と考えられます。ガンマ線全天地図上の丸印が発見したパルサーの位置を示します。銀河面には同様なガンマ線で明るいパルサーがたくさんある可能性を示唆しています。



 太陽に比べて重い星は、その中心で核融合反応によりどんどん核燃料を消費しつつ、炭素、酸素、シリコンなどの元素を合成し、最後に超新星爆発を起こしこれらの元素を宇宙に飛散させます。この合成された各種元素が集まって地球ができ、我々が生まれたと考えられています。超新星爆発の後には超新星残骸と呼ばれる雲状の構造と、中心にブラックホールか中性子星が残ります。この時、回転する中性子星が残ればパルス状にガンマ線や電波、X線を発するパルサーとなります。

 



 Fermiガンマ線天文衛星は、今まで電波、X線でパルス放射周期が見えていなかったこの天体に、ガンマ線でパルス放射周期を発見しました。観測に入って1カ月余りで新しいガンマ線パルサーを発見したことは、半導体センサーの開発で日本が大きく貢献したフェルミガンマ線天文衛星が、高感度、高性能であることをあらためて証明したと言えます。





平成20年10月17日 

  



 【お問い合わせ先】

  広島大学宇宙科学センター長 大杉 節

   電話:082-424-7378

   E-mail:ohsugi@hirax7.hepl.hiroshima-u.ac.jp(※@は半角@に変換の上、送信してください)


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