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[研究成果]これまでで最も遠い80億年前の活動銀河から超高エネルギーガンマ線を検出





説明会の様子。今回は、インターネット中継を通じて、井上芳幸(スタンフォード国立加速器研究所 海外特別研究員)も出席

広島大学宇宙科学センターの田中康之特任助教、スタンフォード国立加速器研究所の井上芳幸海外特別研究員らを中心とする研究グループは、フェルミガンマ線宇宙望遠鏡を用いて、これまでで最も遠い天体から、超高エネルギーガンマ線を検出しました。

超高エネルギーガンマ線は、宇宙を飛び交っている背景放射の光子と衝突して消えてしまいます。そのため、はるか遠方からの超高エネルギーガンマ線は衝突して消えてしまう可能性が高くなり、地球まで届くことはありません。これまで、超高エネルギーガンマ線が検出されていた最遠の天体は、現在から50億年前にある活動銀河でしたが、今回はフェルミ宇宙望遠鏡のデータを用いて、現在から80億年前の宇宙に存在する活動銀河 PKS 0426-380 から2発の超高エネルギーガンマ線を検出し、その記録を大幅に更新しました。

これまで、超高エネルギーガンマ線で探索できるのは、50億年前までの宇宙で、138億年という宇宙の年齢の半分にも満たない領域だけでした。今回の研究成果により、さらに30億年も遠くの天体の検出に成功したことにより、80億年前まで遡って宇宙における星や銀河の歴史を解明できるようになりました。

本研究の成果は、米国の学術雑誌Astrophysical Journal Lettersのオンライン版(http://iopscience.iop.org/2041-8205/)に10月21日に掲載される予定です。

論文タイトル:Fermi Large Area Telescope Detection of Two Very-High-Energy(E>100 GeV) .F Nc-ray Photons from the z = 1.1 Blazar PKS 0426-380

著者:Y. T. Tanaka, C. C. Cheung, Y. Inoue, Ł. Stawarz, M. Ajello, C. D. Dermer, D. L. Wood, A. Chekhtman, Y. Fukazawa, T. Mizuno, M. Ohno, D. Paneque, and D. J. Thompson





説明を行う、田中康之特任助教

【研究内容に関するお問い合わせ先】

国立大学法人 広島大学 宇宙科学センター 

特任助教 田中 康之(たなか やすゆき)


Tel: 082-424-7378

E-mail: ytanaka*hep01.hepl.hiroshima-u.ac.jp

【記者会見に関するお問い合わせ先】

国立大学法人 広島大学 学術・社会産学連携室 広報グループ

TEL:082-424-4518 FAX:082-424-6040

E-mail:koho*office.hiroshima-u.ac.jp


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