最接近した木星と土星をかなた望遠鏡で撮影

 2020年12月21-22日に木星と土星が0.1°ほど(満月のみかけの直径の1/4~1/5)まで近づきました。21日の宵に南西の夜空で輝くその姿を、かなた望遠鏡に取り付けられた可視赤外線カメラHONIR(オニール)で同一視野内に捉えることができました。
 HONIRは天空面の0.17°四方(満月の直径の1/3四方)の広さの画像を撮ることができますが、普段は木星と土星は大きく離れて見えているため、同じ視野内で一度に撮れる機会はまずありません。今回は、そのまたとない機会となりました。
 得られた画像では、おなじみの木星、土星の他に、木星を周回するガリレオ衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)、さらに土星の衛星であるタイタンの姿も見えています。
 なお、「最接近」といっても、木星と土星はそれぞれ地球からの距離が5.9天文単位、10.8天文単位(1天文単位は地球と太陽の距離)と大きく離れているため、あくまでも「見かけ上の接近」で、実際に近づいたわけではないことに注意してください。次に同じくらい接近して見えるのは60年後、西暦2080年3月と計算されています。

 

かなた望遠鏡で撮影した木星・土星の最接近像

HONIRで捉えた木星と土星、その衛星群。Bバンド(波長0.44μm)、Vバンド(0.55μm)、Rバンド(0.65μm)フィルターをそれぞれ用いて撮影した3枚の画像の疑似三色合成図。各天体に固有名を振っている。なお、惑星の模様と衛星とのコントラストを際立たせるため、天体の輝度に加工を施している。1arcminの矢印は、1分角(=1度の60分の1、満月の直径の約30分の1)に対応する長さを示している。


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