設立理念

 急速に発展し続け,絶えず変革している生物学・生命科学系の研究領域に対応し,他の研究分野とも柔軟に融合・連携しながら,イノベーションを創出しうる人材を育成するためには,既存の研究科での教育システム,狭い領域での教育カリキュラムのもとで教育するだけでは,不十分になってきた。

 ポストゲノム時代に入り,遺伝子・ゲノムから生物機能,生態,地球環境,数理生命,医科学まで,そして,それらの基礎から応用まで,幅広い分野に対する理解と深い専門性を身につけた人材が望まれている。すなわち,他領域の学問領域にも興味を持ち,分野融合・学際的な研究領域で貢献できる人材,そして,ゲノムサイエンス,脳・神経科学,食料科学,生態・環境科学,医療など,発展・変革し続ける生物学・生命科学系の研究領域に迅速に適応し,グローバル社会における様々な諸課題を解決できる人材の育成が求められるようになった。

 このような背景を踏まえて,本学の生物学・生命科学系の専攻を有機的に再編・統合し,多様な社会的要求に応えるための柔軟な教育研究組織として,統合生命科学研究科を創設する。

 統合生命科学研究科は,理学,工学,農学,医学の各分野において細分化が進んでいる生物学・生命科学を有機的につなぎ,次代を担う学生が,深掘りするだけでなく俯瞰的な知識と能力を身につけることができる研究科として設置する。この研究科は,広島大学のすべての生物学・生命科学系の学生を同じ理念のもとで教育するために,単一の専攻(統合生命科学専攻)で構成する。


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