国家試験合格者には、2年間の臨床研修が義務づけられます。将来どの分野を選ぶにしても、この期間内に、内科、外科、救急医学などの医師として共通に持つべき診療能力を習得する必要があります。研修終了後にはじめて、独立して医業を行う資格が与えられます。

臨床研修修了者は、各分野の専門的な医師をめざして、大学あるいは市中の病院で専門研修を受けます。その後、第一線の病院に勤務あるいは開業して地域医療を担う人もいれば、大学院に進学して医学研究に携わり、学位(博士)を取得する人もいます。大学院修了後は、さらに研究者の道を歩むことも専門医の道に戻ることも可能です。また、厚生労働省などで医療行政に関わる仕事を選ぶことも可能です。

JA広島総合病院 初期臨床研修医2年次
大迫 えれなさん

大学卒業後は2年間の初期臨床研修が始まります。1～2ヶ月毎に様々な診療科で研修を行い、それぞれの科で経験を重ねながら、自分の将来の進路を決定していきます。学生の頃との大きな違いは、患者さんや共に働く多職種の方々から、"医師"としての判断を求められるようになることだと感じています。自分の診療や一つひとつの言葉が、患者さんの命や人生に影響するかもしれない…という責任の重さとともに、何ものにも代え難いやりがいを感じることができます。
今このパンフレットを読んで下さっている皆さん、それぞれが様々な理由で医学部への興味を持っておられると思います。今は大学受験を乗り越えることで頭がいっぱいになるかもしれませんが、時には"自分がどんな医師になりたいのか"、考えてみて下さい。その気持ちが受験勉強、その後の大学生活や医師になった後も、生涯努力を続けていく上での支えになると思います。
広島大学では基礎的な知識から最先端の医療まで、幅広く学ぶことができます。ぜひ広島大学で充実した6年間を過こしていただけたら嬉しいです。