第6回 令和5年司法試験合格発表を受けて

 令和5年司法試験において、当法科大学院の修了生は5名が合格し、合格率は22.73%でした。
 合格された皆さまには、心よりお祝い申し上げます。この合格は皆さまの不断の努力の賜物です。今後は、法曹として活躍するためにさらに研鑽を重ね、良き実務家としてご活躍されることを期待しています。
 残念ながら不合格となった皆さまには、私たちの指導不足もあったことを真摯に受け止め、心よりお詫びいたします。これまでの学修成果を振り返り、試験結果からの弱点を共有したうえで、法科大学院としてできる限りの修了生支援対策を充実させ直ちに実施いたします。
 私たちとともに来年の司法試験合格に向けて一緒に頑張りましょう。

 今年の当法科大学院の司法試験結果の特色として、今年3月に法科大学院を修了した初回受験者の多くが合格した点が挙げられます。当法科大学院の初回受験者は8名ですが、そのうち5名が合格し、その合格率は62.5%でした。特に、初回受験の既修者については合格率80%と全国でも5本の指に入る合格率でした。全国の法科大学院の初回受験者は1130名で、そのうち合格者は622名、合格率は55.04%でしたから、近年の当法科大学院の教育の質改善に向けた努力は、着実に実を結びつつあると考えられます。

 今年、初めて行われた在学中受験者は全国で1070名中、637名が合格し、その合格率は59.53%となりました。法科大学院修了者及び在学中受験者の司法試験受験者総数は3575名で、合格者1454名、合格率は40.67%ですから、在学中受験者の合格率は高いといえます。
 在学中受験の制度は、「法学部の法曹コースを3年で早期卒業し法科大学院2年次に入学し翌年の7月に受験する者」を念頭に制度化されました。もっとも、本学では法学部と法科大学院との法曹養成連携は、多くの法科大学院より1年遅れて令和3年に締結されたため、今年は法曹コース特別選抜により入学した受験者は誰もいませんでした。
 しかし、今年度から法学部と法科大学院が同じキャンパスとなったことを踏まえ、本学では、在学中受験ルートによる合格をいっそう確実なものとするため、東千田キャンパスの特性を活かした法学部と法科大学院との一貫した学修フォロー体制を充実・強化し、法学部と連携して新たな取組をいくつか実施することを決定しました。

 当法科大学院は、法曹養成の拠点として整備された東千田キャンパスにおいて、法学部との連携による一貫した学修フォローを新たに実施することにより、専門職大学院に課せられた責務を果たせるよう、更に努力を重ね、司法試験合格を目指す皆さまをより一層継続的に支援してまいります。
 在学生、修了生及び法曹コースの皆さまにおかれましては、私たちとともに目標に向かって勇往邁進いただきたいと考えております。

※新学修フォロー策については、後日学内掲示板等を通じて皆さまへお知らせいたします。

令和5年11月11日 広島大学法科大学院長 周田憲二


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