令和元年度司法試験結果を受けて

 令和元年度司法試験の合格発表が先日ありました。

 合格されました皆さんには心よりお祝い申し上げます。誠におめでとうございます。自らの夢を実現するために、日々、様々な思いを抱えながらも継続して勉学に打ち込んできた成果でしょう。勉学の中で皆さんが獲得された学びの方法と自己改善法は皆さんが法曹となって歩む道を確かなものにすると思います。混迷する現代社会において未知の問題に敢然と挑んでください。本研究科における学修がお役に立てば望外の喜びです。

 望む結果を得られなかった皆さん、その悔しさを胸に歩み始めましょう。「なぜか?」を問うこととともに、「どう歩むのか」も考え追求し、その改善・工夫のありようを相談してください。教壇に立つ者と、自ら学ばんとする者との間では、その結果に対して少なくともフィフティーフィフティーの責任がありますから、本研究科の教員も職員も皆さんお一人お一人との間でその指導や応接を振り返り、より適切なものとするように努め、皆さんを教員・職員ともに全力でサポートいたします。

 今年度、司法試験単年度合格率が予備試験組を含めた全国平均を上回ることができ、2年コース修了者、3年コース修了者、いずれの合格率も全国平均を超えました。これも、教育連携により的確な支援をいただいた神戸大学、法曹への動機付けとなる実務教育の機会を提供いただいた香川大学、授業参観を含め全面的な支援をいただいた広島弁護士会、学修フォローゼミを親身に指導いただいたリーガルフェローの弁護士の皆さま、並びに現場主義的教育をご担当いただいております地元の官公庁、そして企業の皆さまが、本研究科の教育の質の向上にご協力いただきました賜物と衷心より感謝申し上げます。ありがとうございます。

 今後も引き続き、抜本的に刷新した教育システムにより学生の個性を尊重しその潜在能力を引き出して多様な法曹を輩出できるよう、その完成度を高めます。司法試験単年度合格率が継続して全国平均を超えることで、累積合格率の改善を目指します。

 できるかぎり多くの法曹志望の皆さんの夢を実現できますよう精進してまいります。
 さらなるご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 2019年9月13日

                          広島大学大学院法務研究科長
                                   秋野成人


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