医学科教育プログラム

2020年入学生のカリキュラム

※学生のコメントについては、カリキュラムの変更等により、上記のプログラムと一部違いがあります。

1年次生

4月、霞キャンパスの3学部(医学部・歯学部・薬学部)の学生が主体となって企画する「霞オリエンテーションキャンプ」に参加し、充実した学生生活を送るきっかけを作ります。1年生は主に東千田キャンパスで教養教育を学びます。一部、専門教育として「脳神経医学I」「医療者プロフェッショナリズム」、「コミュニケーション学」などを学ぶことにより、基礎医学の知識や医師の素養を身につけます。「医療行動学」など、医療や研究が行われている最前線の現場に出向いてこれから自分が進む医療人の姿をイメージしてもらう授業もあります。また、夏休みには、歯学部・薬学部と合同で早期体験実習を行い、チーム医療の基礎を学びます。

学科別オリエンテーション

学生のコメント(医学科2年生 味村 凌吾さん)

1年生では、東千田と東広島、霞の3つのキャンパスで一般教養科目と専門科目を学びます。専門科目を学んで2年生以降の授業での基礎を1年生の内から築くことができます。理想の医師像を考えるディスカッションやグループワーク、医師の役割・病院のリアルな雰囲気を学べる病棟見学を通じて、医学の勉強のモチベーションが得られ2年生以降も有意義に勉学に励めます。
また、入学後すぐに医歯薬合同でオリエンテーションキャンプがあり、他の学部・学科の友達も作れるので友達作りには最適です。この時の班で、それぞれの職種の役割のディスカッションをする授業や病院見学を経験して、将来必要とされる多職種連携について学べます。
そして医学科10人ずつで構成されるチューター班の制度は、どの先生方も私たちに親身になってくださるので勉強や将来の不安なことがあれば何でも相談することができ安心です。
広島大学では、医師を志す上で充実した大学生活を始められます。

2年次生

2年生からは、学習の場はすべて霞キャンパスに移り、本格的な医学の勉強が始まり、「人体構造学」、「脳神経医学II」「組織細胞機能学」(生化学1、生化学2、生理学)、「生体反応学」(細菌学、ウイルス学、薬理学、免疫学)などの基礎医学の授業で正常な人体の構造としくみを学びます。また、「人類遺伝学」、「放射線生物学・放射線健康リスク科学」などの科目では、医師として身につけるべき素養・教養を身につけます。病因病態学(病理学)は主として病気の仕組みについて、チュートリアル方式および通常の講義型式を併用しながら学びます。チュートリアルとは、問題を解決する能力と自ら主体的に学ぶ習慣を身につけるための、グループ学習を中心とした新しい授業のスタイルです。

基礎医学の講義風景

学生のコメント(医学科3年生 下瀨 響さん)

2年生からは霞キャンパスで基礎医学の講義が始まります。2年生の最初の肝はやはり人体解剖学実習でしょう。御献体を自らの手で解剖させていただくことにより得られるものは、教科書的な知識にとどまらず、人体構造の個人差や質感、さらには生や死、あるいは医師という職業について考える機会など、濃密かつ多様なものとなります。加えて生化学や免疫学など、様々な講義・実習を経て、ミクロマクロ双方の視点から人体構造を学んだ後、病因病態学にて2年生の集大成を迎えます。病因病態学では提示された症例について、グループで意見を交わしつつ、今までの知識の総動員及び不足部分の自己学習により自ら病態解明を行います。基礎と臨床の架け橋となるこの科目を通じて、基礎医学の重要性を実感できます。浩瀚な教科書、膨大な情報量、頻々たる試験。1年生とは比較にならないほど忙しくはなりますが、その分学識面も人格面も実りある1年になります。

3年次生

2年生までに学んだ正常な体の知識の上に、様々な病気について学びます。臨床医学の講義では、医の倫理、診察の基本から始めて、まずは人体の各臓器におこる病気について、次いで全身に症状が現れる各種疾患について学びます。また、専門の外国人教員による少人数の「医学英語」の授業も行われます。臨床病理学では、チュートリアル方式および通常の講義型式が併用されます。その後3年次の最後には社会医学(法医学、衛生学、公衆衛生学)を学びます。

チュートリアル講義での
ディスカッション

学生のコメント(医学科4年生 丸山 基治さん)

3年生で学ぶ内容は、大きく3つのグループに分けられます。まず1つ目は、臓器ごと(呼吸器や脳神経など)の疾患や治療法です。3年生の序盤に行われますが、量が多くその後の基盤となる部分です。続いて2つ目では、臓器という観点にとらわれず、感染症や腫瘍など特定のテーマに沿って疾患を捉えていきます。3つ目は社会医学と呼ばれる部門で、医療と社会のかかわりを学びます。
ほぼ毎週テストがあり一つずつの量も少なくないので、ややもすると焦ってしまいがちですが、計画的に学習をすすめていけば大丈夫です。友達と支えあいながら一つ一つ確実にクリアしていきましょう。勉強しているうちに、1、2年生で学んだ基礎医学とのつながりであったり、あるいは疾患同士の関係性を垣間見ることができる瞬間があり、厳しいながらも充実した学習ができる学年だと思います。部活動やサークルでも中心学年となってくるころでもあり、密度の濃い1年になります。

4年次生

3年生までに基本的な病気の講義は終了し、4年次前期には、学内及び海外を含めた学外の施設でも実施することができる「医学研究実習」を行います。実習の研究成果が上がれば、学会発表や論文執筆もめざします。実習の最後には、全員がポスターを作成し、これを審査員の前で発表する発表会が行われます。症候診断治療学では、患者が症状を訴えて来られたことを想定して、それをどのように診察し、検査を行って診断に至るか、またいかなる診療を行うのかを、チュートリアル方式で学びます。その後、「臨床実習」に備えて「臨床実習入門プログラム」で実践的な診療技能を習得します。この前後には、それまで身につけた基礎・臨床医学の知識や技能・態度をチェックする共用試験(コンピュータで知識を問うCBTと診療技能を見るOSCEからなります)を受けます。これに合格すると大学から白衣とワッペンが授与され、1月からの「臨床実習」が許されます。こうして年明けの1月からはいよいよ臨床実習Iが始まります。

診療手技のトレーニング風景

学生のコメント(医学科5年生 田中 肇さん)

4年生では、前期に医学研究実習、後期にはいよいよ臨床実習が始まります。
医学研究実習は約4ヶ月のあいだ研究室に配属され、研究者としての日常を体験することができます。各研究室の先生にアドバイスをもらいながら研究テーマを立案し、仮説・実験・考察を繰り返して最後はポスター発表まで、一通りの体験を通して研究とは何かを学びます。希望者は国内外問わず学外の研究室に参加することもでき、海外の派遣先としては北米、欧州、東南アジアなどが選択肢にありました。6年間の医学科生活において大きな留学チャンスといえます。
後期には臨床実習の準備としてCBT・OSCEが行われ、それに合格すると1月から病院での実習です。臨床実習では実際に患者さんに対面し、問診したり、身体所見をとったりしながら臨床力を磨きます。患者と医療者という関係性での対話には今まで経験したことのない難しさがあり、勉強になることばかりです。

5年次生

臨床実習では、実際の患者さんに対する診療のなかで実習が行われます。臨床実習Iは4年次から始まっていますが、5年次では1年を通じて臨床実習が行われます。3人ないし4人1組ですべての診療科で実習する臨床実習Iが12月一杯で終わると、1月からは希望の診療科を選択しさらに深く実習する臨床実習IIが始まります。臨床実習IIでは、大学病院だけではなく県内の多くの国公私立病院でも実習が行われます。

臨床実習での画像診断演習

学生のコメント(医学科6年生 本間 りりのさん)

5年生では1年を通して病院実習を行います。3~4人で班を作り、すべての診療科を回ります。それまで講義で学んできた知識を実践に生かすことになりますが、これがとても楽しいです。外来診察や検査に同席して見学したり、外科の先生と一緒に準備をして手術のお手伝いをしたりします。実際に見学することで疾患や治療のイメージがクリアなものとなり、臨床を肌で感じることができます。また、患者さんを受け持ち、問診や身体診察をさせていただいて症例レポートをまとめ、実習の終わりに発表を行うこともあります。発表では先生から鋭い質問が飛んでくることもあるので、おのずとしっかり勉強できます。患者さんと接する機会も増えるので、将来自分が医師として働く時の心構えも身につきます。大学病院のみならず、市中の病院や地域医療を支える診療所へ行って学ぶ実習もあります。 とにかく得るものの多い、充実した1年です!

6年次生

9月末まで臨床実習IIが行われます。この実習の合間には、卒後研修を希望する病院を見学したり、面接を受けたりします。夏前には全国規模で自分の希望する病院と病院の受け入れ枠を調整する「マッチング」が行われます。そして10月に卒業試験が行われ、すべての科目に合格すると卒業できます。卒業の前、毎年2月初旬に国家試験が行われ、6年間の学習の成果をいかんなく発揮することになります。

臨床実習風景


up