木質構造物の健全性を評価する技術の開発

本研究成果のポイント

〇木材は周りの温湿度環境や直接的な雨水の影響を受けて、木材内部に含まれている水分量(含水率)が変化することで、強度などの性能も変化するため、その状態を評価する手法を開発。

〇木材の周りの湿度や温度環境の変化に対して、どのくらい木材・木質材料の含水率が変化していくのかを調べ、データを蓄積。

〇建物に用いられている木材・木質材料(部材)のこれらのデータを蓄積することで、その使用部材の受けた影響の履歴を把握でき、健全性を評価することが期待されている。

概  要

 本研究では、木材および木質材料の健全性を長期的に評価するため、含水率の変化に着目した評価手法の開発に取り組んでいる。木材は周囲の温湿度環境や降雨などの外的要因の影響を受けて内部の水分量(含水率)が変化し、それに伴って強度や剛性などの性能、加えて、寸法なども変動する。そのため、木材の状態を適切に把握するには、含水率の変化を定量的に評価することが重要と考えている。 

 そこで本研究では、木材・集成材・CLTが温度・湿度環境の変化に対してどのように応答し、含水率がどの程度変化するのかを実験的に調査し、基礎データを蓄積している。さらに、建築物に使用されている木材・集成材・CLTについても同様のデータを収集し、含水率変化の履歴情報として整理することで、部材がこれまでに受けてきた環境からの負荷や劣化要因を把握することを目指している。

 これらの履歴データを活用することで、目視では確認が難しい木材・木質材料の内部の含水率状態や接着材料における接着層の劣化の進行状況を推定し、木造建築物に用いられる部材の健全性評価や維持管理の高度化につなげることが期待される。さらに、本研究の成果は、既存木造建築物の長寿命化や木材資源の有効活用、さらには再利用木材の性能評価にも貢献することが期待される。


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