生薬学

松浪 勝義 教授

【研究キーワード】
天然物化学、生薬学、薬用植物、モデル生物

【最近のハイライト】
生物多様性ホットスポッ トの一つである沖縄は遺伝資源の宝庫であり、これまでに多くの研究成果を報告した。また、現在、マダガスカル島の植物についても国際共同研究を行っている ほか、エジプト、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、米国などの共同研究者と協力し新たな医薬品候補物質の探索研究を進めている。

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【教育内容】
 新たな医薬品の創製は薬学研究者の果たすべき重要な役割である。現在、臨床の現場や一般家庭で使用されている医薬品の多くは、その起源を天然資源より見出された化合物(これを先導化合物という)とすることが少なくない。植物や微生物などの有する複雑な、それでいて緻密に制御された代謝系により産生される化合物は時として我々の想像をはるかに超えた複雑な化学構造を持つ化合物を提供してくれる。当研究室では植物などの天然資源に含まれる生物活性物質を化学的に解明するのに必要な知識や経験を身につけることを求めている。次世代を担う若手天然物化学研究者の育成につなげたい。

【研究内容】
 私たちの研究室は、漢方生薬、未解析の亜熱帯・熱帯植物などの天然資源を研究対象として先導化合物の探索研究を行っており、これまでに多くの新規化合物の発見を達成している。得られた化合物は、特殊な分光装置により測定した種々の物理化学データ(核磁気共鳴スペクトルや質量分析スペクトルなど)や、誘導体化などの有機合成化学の手法を組み合わせるなどして化学構造を解明する。また、ヒト培養がん細胞や細菌、真菌などの微生物、熱帯域で深刻な感染性原虫、ウイルス等を対象に生物活性評価をおこない有用性を検討している。日本の天然物化学の研究レベルは世界的にも評価されており、海外から訪れた大学院学生や研究者がこの研究室で研鑽を積んでいる。

【図説明】 (左)分子モデル(右)NMRスペクトル

【図説明】 培養細胞を用いた活性物質の探索


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