薬効解析科学

森岡 徳光 教授

【研究キーワード】
中枢神経疾患、慢性疼痛、うつ病、精神疾患、グリア細胞(ミクログリア、アストロサイト)

【最近のハイライト】
1.難治性疼痛モデルマウスを用いて、脊髄アストロサイトに主に発現するタンパク質connexin43が減少し、それに伴って痛みの伝達が亢進していることを発見(日経産業新聞にて掲載、2015年7月3日)。
2.神経障害性疼痛モデルマウスを用いて、炎症性物質の一つであるHMGB1が傷害を受けた神経で増加しており、さらに痛みが慢性化した後でもHMGB1に対する中和抗体を傷害坐骨神経周辺部に投与することにより、痛みが緩和することを発見(日経産業新聞にて掲載、2015年12月3日)。

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【教育内容】
薬理学は生体に対して薬物がどのような作用(薬理作用;主作用・副作用)をするのか、そしてそれはどのような作用機序によるのかを学ぶ学問です。薬理学の講義・実習を通じて、薬物の作用機序に加えて病態治療への関わりについて学ぶことで、薬剤師として必須の教養・知識を修得するだけではなく、臨床ニーズから創薬研究を着想できる専門的知識や実験技術を備えた人材の育成を行っています。

【研究内容】
脳・脊髄から構成される中枢神経系は様々な高次機能を制御しており、これらの異常が神経変性疾患や精神疾患、慢性疼痛といった疾患を引き起こします。中枢神経系は神経細胞が主な構成成分ですが、その他にもアストロサイトやミクログリアといったグリア細胞が存在します。私たちはグリア細胞の機能異常が慢性疼痛やうつ病の発症に寄与していることに注目し、グリア細胞の異常がどのようにして病気の原因となるのかを解析することで、新たな治療薬の開発を目指しています。特に、以下の4点について主に検討を行っています。
1.神経障害性疼痛と精神疾患に対する細胞間輸送タンパク質connexin43の役割
2.神経障害性疼痛と精神疾患に対する核内タンパク質high mobility group box-1(HMGB1)の役割
3.神経障害性疼痛と精神疾患に対する時計遺伝子の役割
4.神経障害性疼痛と精神疾患の発症に寄与するグリア機能分子の同定

【図説明】 脊髄後角を介した痛覚伝達と慢性疼痛
慢性疼痛時には、脊髄後角内でミクログリアやアストロサイトが活性化が生じており、これが痛みの慢性化に関わっている。


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