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ひらめき☆ときめきサイエンス「遺伝と遺伝子、そのはたらきを体験・実験し、そして実感する」を開催しました



平成2181日(土)、生物生産学部において、(独)日本学術振興会(JSPS)のサポートによる中学生・高校生の

ためのプログラム 『平成21年度ひらめき☆ときめきサイエンス−ようこそ大学の研究室へ−KAKENHI 』 の

「遺伝と遺伝子、そのはたらきを体験・実験し、そして実感する」を開催しました。



以下、担当の
西堀正英准教授の報告です。

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平成2181日(土)、ひらめき☆ときめきサイエンス「遺伝と遺伝子、そのはたらきを体験・実験し、そして実感する」(JSPS日本学術振興会主催)を広島大学生物生産学部で開催いたしました。参加者は広島県内はもとより、岡山県、長崎県から中学生15名、高校生24名、保護者および先生方9名で計48名でした。開始を待ちかねた中学生が745分に一番乗りでやってきてくれました。すでに9時過ぎには学部2階のロビー(広島大学博物館サテライト館)では水槽を泳ぐ魚以上に元気な参加者が集まってくれていました。
10時より、生物生産学部C206大講義室にて、江坂宗春学部長の挨拶で『ひらめき☆ときめきサイエンス』が始まりました。
プログラムおよび科研費の説明、本日お世話になる8名のTA大学院生、大学生の紹介(本日誕生日のTAさんに大きな拍手がありました)に続いて、西堀が「サイエンスを始める前に、何をすべきなのか。豊かな発想から科学する目を養い、目指せサイエンシスト、プロフッショナル」と題して講演をしました。講演では、まずサイエンスを始めるためには、「科学する気持ち、姿勢およびその目(観察力)』が必要であり、そのために参加者全員、ニワトリの絵を描いて、いかに普段生物をじっくりよく見ていないか実感し、ニワトリの絵を描くと約5%の人が「4本足のニワトリ」を書くという実例を見ながら実感できる講義でした(今回の参加者の中には「4本足のニワトリ」は見られませんでした)。 



<江坂学部長のあいさつ>
講義のあとは、C316実験室に移動し、早速、「お酒が飲めるのか飲まれるのか」を判定するための遺伝子(アセトアルデヒド脱水素酵素遺伝子:ALDH2)の検査の開始です。実験は中学生1年生から高校3年生まで学年ごとに編成された8つのグループ(TA8名)にわかれ、まずは自分たちの口腔粘膜細胞からDNAを採取する準備です。西堀から細胞とDNAについて簡単に説明を聞いた後、TAのみなさんの指導で自分自身の口腔内粘膜細胞の採取とその細胞からのDNAの抽出を行いました。このDNAをもとにひとりひとりがPCR(DNA合成酵素連鎖反応)によって、ALDH2遺伝子235乗倍に増幅しました(約1時間)。
PCR増幅の間は、お楽しみのお弁当。生物生産学部特製「女子高校生スペシャル」と銘打たれたお弁当を、広島県警の中木さん(講師)、TAのみなさん、参加者のみなさんとともに、本日の講座のこと、生物生産学部のこと、大学生活のことなどを話のネタに和気藹々の時間が過ぎていきました。


午後は、広島県警刑事部科学捜査研究所(科捜研)主席研究員・中木真一先生の「DNA鑑定」の講義を聴きました。科捜研の仕事とは、テレビドラマのように45分で事件が解決するようなものではなく、日々地道にみなさんの安全、安心な暮らしのために業務と研究をされていることを知りました。またDNA鑑定の仕組みは、人気漫画・サザエさんの磯野家を例にわかりやすい説明で皆さんうなづいていました。


講義の後は、PCR産物を電気泳動でタイピングです。お酒が飲める遺伝子、お酒に飲まれる遺伝子をタイピングします。マイクロピペットもうまく扱えるようになり、ゲルへのローディングも手馴れ、
20分間電気泳動。その間に、アルコールパッチテストでアルコールに対する反応を確かめました。アルコール綿を貼って、7分後には真っ赤になる参加者もいました。20分後には電気泳動写真を撮って、TAの学生とアルコールパッチテストと電気泳動の結果の検討が始まりました。お父さんはお酒が飲める遺伝子のみ、お母さんはお酒が飲めない遺伝子(お酒に飲まれる遺伝子)のみ、私の遺伝子は、・・・両方でている!。アルコールパッチテストではアルコール綿を取ってからじわじわと赤くなり、表現型と遺伝子型の結果も一致し、感動の結果が得られました。
会場を第一会議室に移し、もうひとつの楽しみである「クッキータイム」です。西堀が選んだ選りすぐりのお菓子で、さらに話に花が咲き、そのまま全体討論に。結果をPowerPointで見ながら、各班ごとに結果の解説、議論さらには実験の感想や来年もやってほしい!などの意見も飛び出しました。うまく結果がえられたグループ、きれいに判定できなかったグループなどがありました。サイエンスには成功も失敗もあり、それについて如何に議論し、その次に繋げることを見出すことがサイエンスのおもしろさであることも実感できました。
最後に、西堀から参加者全員に修了証書「未来博士号」が手渡され、全員で記念写真をとって、楽しく実感できたひらめき☆ときめきサイエンスの1日が過ぎていきました。西に傾いた太陽をみながら、将来のサイエンティストを夢見て、みんな帰途に着きました。主催者、参加者のみなさん、ありがとうございました。




<参加者全員で記念撮影>
(報告者)
  ひらめき☆ときめきサイエンス実施責任者
  生物生産学部准教授 西堀 正英
  nishibo@hiroshima-u.ac.jp (@は半角に変換してください)


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