2020年度学位記授与式を行いました

2021年3月23日、2020年度広島大学学位記授与式が行われ、生物生産学部生112名が卒業しました。

新型コロナウイルス感染症への感染防止の観点から、午後からの学部での学位記授与式では、会場を2か所に分けて行い、屋外で記念撮影を行いました。

学部長メッセージ

生物生産学部 卒業のお祝い

学部長 三本木 至宏

本日はご卒業おめでとうございます。今日、112名が広島大学生物生産学部を卒業されます。教職員一同からお祝い申し上げます。

みなさん、大学生としての生活はいかがだったでしょうか? 長かったでしょうか、それとも短かったでしょうか? 

この4年間を思い返すと、災害続きでした。みなさんが2年生の7月には、西日本豪雨災害に見舞われました。豪雨があった翌日は編入学試験が予定されていました。編入生の中には、激しい雨の中このキャンパスに向かっていた方もいるのではないでしょうか。大変な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。

そして4年生になったらこのコロナ禍です。1年前、さあ卒論研究に没頭するぞと意気込んでいらしたかもしれませんね。この1年、様々な制約がありました。机を囲んで先生とディスカッションするのも満足にできなかったかもしれません。大学全体では、授業がオンラインで行われるようになりました。みなさんは授業も就活もひたすらパソコンと向かい合う日々を強いられました。

災害続きで行動が制約される中、みなさんは大学や学部の方針を理解され、そしてよく我慢したと思います。ありがとうございます、とみなさんに申し上げさせてください。

広島大学の学生さんのとった行動に私が感動したことを二つ紹介させてください。

3年前の豪雨災害の時に、仲間とおにぎりを何百個か作って、それを交通マヒで車が動かなくなった一般の運転手に配ったということを聞きました。こんなこと教科書には書かれていないです。

それから、昨年9月でしたか、「1年生に対面授業を受けさせてほしい」と大学に願い出た先輩がいました。その先輩たちも、本当は対面授業を受けたいはずなのに、講義室に限りがあるので、キャンパスでの学生生活を送ったことがない1年生に、その体験をさせてあげたいとの思いだったと後から知りました。

心温まる行動です。感動しました。みなさんも形は違うかもしれないかもしれませが、この逆境ともいえる制約のある中で、周囲の人たちへの思いやりを持った行動をされたことと思います。こういう時こそ、他者への共感を持つことの大切さをみなさんから教えられました。ありがとうございます。

みなさんはこれから、人生の新たなステージに立とうとしています。何が起きるのか予測がつかないこの時代、広島大学卒業生として、自信をもってものごとに取り組んでください。期待しています。

それから、このような時代だからみなさんと一緒に考えていきたいことがあります。これまでの日常が続く中では、日々、「改善」、英語で言うとImprovementが行われ、社会が豊かになってきました。しかし、何が起きるのかわからない今日このごろ、改善ではなく、「転換」という発想が必要なのではないでしょうか? 英語で言うと、Transformationです。大腸菌に抗生物質耐性を与える形質転換と同じです。不連続的な変化が必要となっていると思います。Digital Transformationということも言われています。これからの生活でぜひ考えていきましょう。

今日は久しぶりにここで友達に会えたかと思います。これから昔話に花が咲くかと思います。私もみなさんのうちの10名だけですが、教養ゼミでご一緒させていただいた思い出があります。研修先の牧場で、メンバーでソフトクリームを食べたことを思い出します。今日は、1年生の時、慣れなない大学生活をサポートしてくれました、支援室の山本さんと金久さんにも感謝してください。

今日の門出に、改めてお祝い申し上げます。今日は本当におめでとうございました。ありがとうございます。


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