研究科長挨拶

「持続可能な発展を導く科学」を実践する世界的な教育研究拠点を目指して

大学院先進理工系科学研究科長 高田 十志和

 先進理工系科学研究科は、広島大学のミッションである「持続可能な発展を導く科学」を実践する世界的な教育研究拠点となるための大学改革の中で、2020年(令和2年)4月に誕生した新教育研究組織です。広島大学の理工系分野を融合させた本研究科は、高度な専門性をもちながら異分野に対する深い理解力を身につけ、激動する社会の課題解決に貢献できる有為な理工系人材を育成することを目的としており、その斬新な試みには地元広島をはじめ世界各所が注目・期待しているところです。

 本研究科は、広島大学既存の理学・工学系の5つの研究科の17専攻を再編・統合した先進理工系科学専攻を核としており、産業界との特別なつながりを持つスマートイノベーションプログラム(2021年4月設置)の他、分野の専門基盤を涵養するプログラムである、理学系の4プログラム並びに工学系の7プログラム、さらには分野横断型プログラムや理工融合型プログラムなど、理工系の基礎から応用に至る多彩な15学位プログラムで構成されています。15プログラムを1専攻の中に有するシステムは、専門分野間の壁が低くなる結果、学生が幅広く学ぶことを可能にし、研究者が協働することを容易にする大きなメリットがあります。一方、2020年10月には本研究科に「広島大学・ライプツィッヒ大学国際連携サステイナビリティ学専攻」も加わり、国際感覚を備えた人材育成が始まっています。

 本研究科で学ぶ学生は、所属する学位プログラムで深い専門性を身につけるだけでなく、分野横断・融合的あるいは学際的な教育プログラムで学ぶことにより、幅広い知識を修得し、柔軟な思考力、国際性、豊かな感性を涵養することができます。このような多様な分野を含む特徴あるプログラムによって、Society 5.0や第4次産業革命といったこれからの複雑でグローバルな社会を乗り越えていく、伸び代ある理工系人材を育成できるものと確信します。重要なことは、学生・教員が様々なことに積極的にチャレンジし、国際感覚を身につけた機知縦横の人材となることです。広く世界の理工系分野にあって本研究科が「先進」の名にふさわしい研究科となるべく、学生、教職員がともに手を携えて邁進しますので、皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。


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