第13回 樋口克彦准教授

最近の仕事

樋口 克彦 准教授

 4月下旬ごろから、毎年、私は家の草取りを始めます。このように書くと、随分と広い庭の家に住んでいるように聞こえますが、草取りが苦になる程、庭は広くありません。苦になるのは法面の草取りです。急斜面で面積も約6(m)x4(m)程あります。危険なので以前はロープを体に巻いて作業を行っていたほどです。また、斜面に立ちっぱなしの状態で雑草を取ることになるので、かなりの重労働になります。

 昨年より、この草取りの戦略を変えました。当初は、「生えてきた雑草を取る」という受け身の草取りだったのですが、「雑草が生えてこないようにする」という攻めの草取りに変えました。具体的には、雑草を取った後、その場所に草花や芝生などを植えるようにました。今年は、昨年の戦略変更が功を奏し、雑草がかなり減りました。

 戦略を変更したきっかけは、子供の無謀とも思える行動からでした。数年前、庭に蒔いた草花の種の残りを子供が法面の雑草の中に投げ込みました。法面にも花を咲かせようという発想で行った行動なのですが、雑草の上から種を蒔いても芽は出ないだろうと私は思っていました。しかし、予想に反して芽が出て、今では法面の一部が花壇のようになっています。さらに都合の良いことに、その一帯には雑草がほとんど生えてきません。そのおかげで、その一帯だけは雑草を取る必要がほとんど無くなりました。そこで、確実に雑草が生えてこないようにするために、上述のように雑草を取った後に草花や芝生などを植えることにしたのです。

 無謀とも思える行動は時として良い結果を生むことがありますが、やはり、よく考えた計画的な行動から必然的に良い結果が得られたほうが納得できます。昨年植えた草花や芝生は順調に育ち雑草も少なくなっているのですが、一部は枯れてしまい雑草が生えてきています。まだまだ試行錯誤が続きそうですが、昨年からの攻めの草取りが良い結果になると信じて、今年も草取りをしています。

(2017年5月18日掲載)

 


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