病院技工室、および技工所

広島大学病院

歯学部 口腔健康科学科 口腔工学専攻 2020年度 卒業
大学院医系科学研究科 総合健康科学専攻
保健科学プログラム 博士課程前期 2022年度 修了
肥後 桃代さん

私は元々ものづくりに興味があり、口腔工学専攻に入学しました。講義や臨床実習を行う中で、医科歯科ともに連携できる大学病院で歯科技工士として働きたいという思いが強くなりました。進路を決める際に、広島大学の大学院では、自身の研究を進めながら、その研究を活かして大学病院の臨床の場に立つ機会を持てるということを知り、卒業後はそのまま大学院に進学することを決意しました。
大学院生活では、技工室の先生方の指導のもと、実際の患者さんの歯科技工物や3Dプリンターを活用した手術支援模型の製作をさせていただきました。これまで講義などで教わったことが技工の理論としてつながっていき、とても学びの多いものでした。
さらに、研究等の他に、学部生の実習の補助を行う機会があり、教えることの難しさを感じる一方で、自分自身の予習復習にもつながったと思います。
現在は、良縁あって大学病院に就職し、引き続き広島大学霞キャンパスで勤務しています。未熟者で勉強しなければならないことばかりですが、大学院時代の学びや経験が仕事に直結していると感じます。皆さんも口腔工学専攻に進学された際は、技工や研究など自分の進みたい道を深める選択肢の一つとして大学院進学もありますので、ぜひ前向きに検討してみてください。受験は不安なことも多いかと思いますが、皆さんの努力が実を結ぶことを願っています。

株式会社ハーテックデンタルサービス

私は学生時代、この口腔工学専攻で歯科全般についてはもちろん、最新機器に触れる機会がたくさんありました。今考えると医療系の学科でありながら、3Dプリンターなど現在様々な業種で活用されている機械について学ぶことができるのは珍しく、卒業後の就職先の幅が広がりました。
現在勤務している会社は、最新のコンピューターツールをいち早く取り入れており、これまでのアナログの作業に加えて、デジタルで行う作業が浸透している会社でした。それを見た時に、この会社なら進化していく現代の歯科業界にもついていけるのではないかと思い、入社を決意しました。
私の主な仕事内容は、クラウンやブリッジ(被せ物)の模型をスキャナーで読み込み、パソコン上で設計をし、機械にデータを送り、削り出すというものです。初めは慣れない作業に手間取りましたが、入社2年目が始まる頃には先輩のチェックなしに作業ができるようになりました。
技工所での仕事についてのお話がメインになりましたが、この学科は医療系には珍しく、入学した後の就職先の選択肢が多い学科です。学生時代に学べる様々な科目の中から、自分の興味のあること、得意なことに出会えるはずです。大学入学まで不安な時間になるとは思いますが、頑張ってください。

歯学部 口腔健康科学科 口腔工学専攻
2021年度 卒業
松井 ゆかりさん

長崎大学病院 中央技工室

歯学部 口腔健康科学科 口腔工学専攻
2018年度 卒業
竹中 広登さん

「人を助ける仕事がしたい!」私はもともと医者を目指していました。しかし、受験で訳あって、口腔工学へ進学(もとより、細かい作業が好きでそれも活かせたらなと。)。
大学病院が併設されたキャンパスで学ぶので、ほかの医療系の学生とも仲良くなることができ、多くの刺激をもらえました。楽しい思い出ばかりです。
「やっぱり医療従事者として生きたい。」そう思うようになった時、大学病院の歯科技工士の仕事を臨床実習や学術大会を通して知りました。そこには大病院の一部屋で、歯科医師や患者さんと密接に関わりながら医療人として、ものづくりをする姿が。とても感動しました。
その後、口腔工学の先生方の支えもあり、良縁あって長崎大学病院に就職しました。
大学病院の歯科技工士としてチーム医療に関わりながら、患者さんの歯を作る仕事をしています。また、大学時代に学んだ工学系の知識を活かし、3Dプリンターで手術用の臓器モデルを作る仕事にも挑戦。今では医師とも関わりながら、患者さんのために仕事ができ、日々充実感を得られております。
本専攻は歯科技工の知識に加え、幅広い医療の知識、工学系の専門知識など多岐にわたる専門分野の中から選択し、追求できます。自分の思いさえあれば、何だって挑戦できるのがこの専攻の魅力です。皆さんの入学を待っております。

北海道大学病院 生体技工部

現在の就職先を選んだ理由は、在学中に学んだ歯科技工に加え、顎骨模型(手術支援模型)やエピテーゼ(人工ボディ)の経験も深められる総合病院であったためです。
近年のデジタル化に伴い、現在私はコンピューターシステムで歯を製作するだけではなく、手術支援器具の開発や製作を行っています。口腔工学で学んだことは、歯科だけにとらわれない新たな業務拡大へと繋がっています。さらに、学会発表や雑誌への投稿などで新たな研究を発信しています。
口腔工学で4年間学ばなくとも、専門学校に通い国家試験に合格さえすれば、歯科技工士として働くことはできます。しかし、口腔工学では歯科技工の手を動かす技術だけでなく、システム工学や3Dプリンターなどといった最先端の技術を学ぶことができます。また、大学病院での臨床実習を通して、多職種連携や患者さんとのコミュニケーション方法を間近で学べるのも魅力の一つです。これらのことは、現在の仕事に大きく活かされており、今後の歯科技工士にとって強みとなる技術だと考えています。口腔工学は、これからの時代を生き抜く歯科医療人になれる専攻だと信じています。

歯学部 口腔健康科学科 口腔工学専攻
2018年度 卒業
若林 侑輝さん

倉敷医療生活協同組合

歯学部 口腔健康科学科 口腔工学専攻
2013年度 卒業
新谷 豪さん

在学中に歯科技工実習を通して、歯科技工をする事が自分に向いているかもしれないと気づき、今の道に進みました。また臨床実習において、補綴科の先生方と直接コミュニーケーション取り、補綴物の製作を行ったことは、院内技工で働く今の自分にとって良い経験であったと感じています。
職場ではCr-Br(クラウンーブリッジ:被せ物)を専門にしており、保険の補綴物、オールセラミック、インプラント関係まで幅広く行なっています。また、CAD/CAM、3Dプリンターを保険分野の技工にも積極的に取り入れ、これまでの生産量を落とすことなく労働時間を減らせるように取り組んでいます。
在学されている皆さんは、歯科技工士の離職率の高さや、労働環境の悪さなどが、耳に入ることも多いとは思いますが、現場で働く方々は今の時代に合わせるために、何を変えなくてはならないかを真剣に考えています。私が就職してからの8年間の間にも、労働環境は大きく変わってきています。様々な分野に羽ばたける学科ですので、どの道も前向きに検討していただければと思います。

徳島大学病院

僕は現在歯科技工士として徳島大学病院に勤務しています。病院にはたくさんの職種の方がおり、近年は「チーム医療」の名の下、様々な職種が連携して最高の医療を患者さんに提供する環境が構築されています。
歯科技工士は一般的に入れ歯や被せ物といった口腔内に装着する装置を製作するのが本業ですが、昨今医療ニーズが高まる中、歯科技工士の持つ知識と技術は、歯科分野はもちろんですが、医科分野にも求められてきています。時には教科書に載っていない装置も他職種のプロフェッショナルと試行錯誤しながら作り上げたり、デジタル技術を用いた手術のシミュレーションなど、様々な形での医療支援を行なっています。これには僕が広島大学で学んだ歯科医学や、歯科技工士の可能性を見出す様々な講義、経験が昨今のグローバル化に活きているのだと感じています。医療従事者の1人としての歯科技工士の可能性は、これからさらに大きくなることが予想されます。受験生の皆様におかれましては、是非広島大学を通じて、今までにない歯科技工士像を一緒に作り上げていけたらと思います。

歯学部 口腔保健学科 口腔工学専攻
2009年度 卒業
鴨居 浩平さん

広島大学病院 中央技工室

歯学部 口腔保健学科 口腔工学専攻
2009年度 卒業
岩畔 将吾さん

現在の職場である広島大学病院は3・4年次の臨床実習先でした。この臨床実習をきっかけに “顔の見える歯科技工士”になる決意をし、病院所属の歯科技工士を目指す気持ちが固まりました。また、学部・大学院在学中に行った研究活動の経験も活かしたいと考え、大学病院への就職を志望しました。
現在中央技工室では、アナログ技術とデジタル技術両方の良いところを活用し、精巧でかつ心のこもった技工物を患者さんに届けられるよう臨床業務を進めています。また、3Dプリンターを活用して実物大臓器立体モデルを製作し、歯科だけでなく医科への手術支援も行っています。
私が入学してから現在までの約15年を振り返ると、IT技術の進歩とともに歯科は目まぐるしく変化しました。これからの15年はもっともっと変化するでしょう。これからの歯科技工を担うのはデジタル世代の皆さんです。皆さんが活躍してくれる日を楽しみにしています。


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