次世代の歯科医療従事者の育成
口腔健康科学領域における博士課程を有する口腔工学専攻は、我が国で初めて設置された4年制の歯科技工士養成機関です。歯科技工士をオーラルエンジニアとして捉え、生物学的知識や技能を備えた医療人を輩出するために骨代謝関連や口腔機能に関する研究、さらには新規歯科材料の臨床応用などさまざまな研究を行い、次世代の歯科医療従事者の育成に努めています。
口腔工学専攻は、日本で初めて設置された4年制の歯科技工士養成機関です。バイオロジー、テクノロジー、高度なスキルを盛り込んだ幅広い教育を行っています。また、かづきれいこ氏による「フェイシャルセラピスト養成講座」や日本組織培養学会の「細胞培養実習」などの全国的にも例を見ない実習も行っています。「オンリーワン」から「ナンバーワン」を目指して、医療マインドのある研究者・企業人と研究マインドに満ち溢れた歯科医療人を育成します。
実習風景
学生が3Dプリンタで製作した顎骨模型と人工ボディ
取得可能免許・資格
歯科技工士国家試験受験資格、フェイシャルセラピスト資格認定、細胞工学士資格認定
主な就職先
病院技工室および技工所、歯科関連企業、大学教員および公務員、リハビリメイク・エピテーゼ製作関連、製薬会社・医療機器および再生医療受託・解析ほか
※口腔工学専攻では、卒業生の就職先からのメッセージを公開しています。ぜひこちらからご覧ください。
教員の声
学生の声
歯科技工を軸に広がる選択肢
口腔工学専攻では、歯科技工分野を中心に日々様々なことを学んでいます。実習の機会も多く、先生方にご指導いただきながら歯科技工物やエピテーゼを自らの手で作り上げます。歯学科、口腔保健学専攻の学生との合同講義も多々あり、より専門的な歯科知識からチーム医療の基礎まで、歯科技工を超えた学びを享受できるのも広島大学ならではの魅力のひとつです。このように本専攻では自分の興味関心に基づいて学びを追求できるため、卒業後も様々な分野で活躍することができます。
歯科技工を芯に、道を拓く
大学入学当初から、口腔工学専攻では他学科の学生とチーム医療を意識した連携教育の中で、医療全般を学びながら歯科技工士を目指せることを知っていました。実際に学んでいくと、自分の予想以上に歯科技工士の職域拡大を感じる講義・実習が多くあり、ワクワクすると同時に、歯科だけにとらわれない様々な選択肢があることで、逆に自分が何を選び取るべきが悩むことがあります。ですが、整った環境で歯科技工士としての基礎的な知識や技術を確実に身につけながら、好奇心の赴くままに自分に合った学びを見つけ出し、追求できると確信しています。
新時代の歯科医療
歯学・口腔保健学・口腔工学がすべて揃った学部は全国でも珍しく、他職種への理解を深めながら幅広い知識を学べます。単に専門技術を極めるだけでなく、エピテーゼやCAD/CAM実習は次世代の歯科技工士の可能性を広げ、卒業後は製薬会社や歯科企業、公務員なども選択できることが魅力です。
可能性を広げる学びを
口腔工学専攻では歯科技工士になるために必要な知識や技術を学ぶことはもちろん、幅広い知識を得ることができます。外部講師による講義や他学科の学生と学ぶ機会が多くあり、充実した多職種連携教育が受けられます。それらは知識を深め、また視野を広げるきっかけになります。2年次から始まる実習では補綴物や義歯の製作、 CAD/CAMについて学びます。さらに実習の中には事故などで顔や指を失った人に装着する義眼や指部プロテアーゼの制作をします。歯科技工に必要な分野以外も学ぶことは将来の選択肢を広げることになると実感しています。
幅広い学びが、将来に繋がる
口腔工学専攻では、歯科補綴物や矯正装置、CAD/CAMなどについて学び、実際に自分の手で補綴物などを製作します。専門学校とは異なり、歯学科や口腔保健学専攻の学生と一緒に授業を受けることも多いので、歯科技工士の国家試験に必要な科目の他に様々な分野を学習することができます。また、卒業後の進路は歯科技工士だけではなく大学院や製薬会社、歯科関連企業、公務員など選択肢が幅広いことも魅力だと思います。口腔工学での学びで得られた知識や経験は必ず将来に役立つと信じて私も頑張っています。
医療現場を知り多様な知識を持つ技術者に
歯科技工士になるための技術はもちろん、口中と全身の繋がりや、顔や指の一部を失った人の義眼や指を作るエピテーゼという治療を学ぶことができます。また3年次後期になると、実際の歯科医療現場での実習なども行い、現場に寄り添う技術者を目指していきます。
背景を学ぶからこそ、将来の選択肢も広がる
口腔工学というと難しく聞こえますが、簡単にいうと歯科治療の矯正器具や義歯など、装置系全般を扱う分野を指します。身近な領域でありながら、口腔工学を専攻できる国立大学は数少ないと聞いています。私が本分野を大学で学ぼうと思ったのは、やはりバックグラウンドにある知識を深く知ったうえで、歯科技工士の技術を極めたいと思ったからです。単に技術を深めるだけでなく、確かな知識が備わっていれば、将来の選択肢もその分広がります。先輩達のなかには製薬会社や歯科材料系の企業で活躍している方もおり、私も病院内で働く技工士を目指して奮闘中です。