高校時代、私は化学系に進みたいという漠然とした目標がありました。進学を考える際、広島大学工学部第三類では化学工学、応用化学、生物工学と幅広く基礎を身に着けることができるということを知りました。自分の好きな化学について、まずはたくさんのことを知ろうと思ったことが広島大学を選んだきっかけです。大学2年生の課程配属で応用化学課程に進みましたが、どの課程も面白く、進路についてとても悩んだことを覚えています。

　応用化学課程では分析化学研究室に所属し、キャピラリー電気泳動法という分離分析法について高感度化の研究に携わりました。研究は苦しい部分が多いですが、良い結果が得られた時の達成感は格別です。私は興味の赴くままに大学院博士課程後期まで進み、広島大学で約10年間お世話になりました。国内・海外での学会発表、企業との共同研究などとても刺激的な研究生活でした。多くの方と関われたことで、高校時代とは比べ物にならないくらい自分の世界が広くなったと感じています。

　私が勤めているローツェ株式会社は、半導体・FPD関連装置等の自動化装置を開発設計・製造・販売している会社です。「他社が販売している同等品は製品にしない。従来より優れた製品、すなわち世界的にニュースとなる製品のみを商品化しよう」という合言葉をもとに、社員一丸となって日々業務に取り組んでいます。近年、半導体業界は海外に大きな市場があります。世界で戦う技術者として日々レベルアップすることを意識し、充実した毎日を過ごしています。

　大学生活は、皆さんの人生にとってかけがえのない時間になると思います。勉強だけでなく、どんなことにも興味を持って“広く深く”たくさんのことを経験して欲しいです。