株式会社マツダE&T 代表取締役副社長執行役員 野間 幸治さん

針の穴を通す

株式会社マツダE&T 代表取締役副社長執行役員 野間 幸治さん

 

株式会社マツダE&T 
代表取締役副社長執行役員

野間 幸治さん

広島大学大学院 工学研究科 
修士課程前期 移動現象工学専攻 昭和61年度  修了

広島市立舟入高等学校 出身

現在の仕事内容について

 マツダに入社後に配属された車両全体の配置構想を立案する部署に25年間。そして商品主査等を経て現職です。技術屋というより企画屋として、競合力ある開発目標を示した実現可能なクルマの形として規定してきました。投資規模が大きいことにビビリながら、厳しい市場環境にある小さな成立範囲めがけて“針の穴を通す”企画を立てることに明け暮れました。でも、市場導入してお客様に使って頂けることが最高のご褒美になる、とてもやりがいある仕事でした。

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学生時代について

 この「針の穴の通し方」は、広大在学中に意識なく会得していたようです。一つは、子供の頃から工作と野球が大好きで、何とか工学部に入り、そして硬式野球部に入りました。体力や技術のハンデがありながらもやり方次第で強豪校に勝利できることがわかりました。野球とは、勝利の幸せをビジョンに置いて、事前に相手と自軍の戦力分析によって想定された状況に応じて即時行動することです。これはまさに企画です。固定された環境でセオリー通りの企画を立てて粛々とこなすようでは、時流に対応できません。

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 もう一つは 、工学部らしく?「実験計画法」を知ったことです。乱暴ですが、得体のしれないものを効率よく推測する手法です。しかし、技術屋が企画をする際に、陥りやすくそして最も避けねばならないのは、すべての事象は論理的に説明できて「正解は必ずある」と思い込んでしまうことです。商品・製品の企画は、技術を知り、己を知り、環境を知ることで、色々なお客様にとって最も最適と考えられることを導くのです。言い換えると「正解は必ずしもない」という事です。私は、この2つが企画屋としてのスキルとマインドを支えたバックボーンになったと考えています。大学生活にさりげなく経験したこと、一生懸命やったこと、どんなことにも自分の将来に役立つことがあるのですね。そして、最も幸運だったのは、数多くの同窓と共にこの会社で仕事ができたことです。苦しい時にはお互いに特別な感情で助け合えることが同窓の一番の強みだと思います。
 最後に、学生の皆さんや社会人となった皆さんにお伝えしたいのは、毎日を新鮮な目つきで大学生活や会社を見直すと、もっと楽しくて、そしてもっと夢が膨らむと思いますよ。ぜひ、お試しあれ!

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