常石造船株式会社 常石(上海)船舶設計有限公司 施 建剛さん

アグレッシブに行動し、グローバルな人材を目指す

 

常石造船株式会社 常石(上海)船舶設計有限公司

施 建剛 さん

広島大学大学院工学研究科博士課程後期特別コース
1996年度修了
中国江蘇省蘇州市相城区陽澄湖鎮湘城高等学校 出身

 私は中国の上海蟹で有名な陽澄湖の傍に生まれ育ち、小さい頃から水に慣れていました。その後、中国での大学と職業もずっと水を相手にしてきました。広大修了後、自然に海に浮かぶ船作りの会社を選びました。
 入社後、最初は広大先輩の部下として船の推進装置であるプロペラを勉強、設計、そして新しい開発に没頭し、その後徐々にプロペラ周りの船体推進性能、運動性能、操縦性能、及び省エネ装置の開発等に分野を広げてきました。自分が開発した新設計1隻目の試運転には必ず乗船し、開発時に推定した各種性能が予測通りに確認出来た時は、一番感動と幸せの時間でした。

 当社と広大とは同じ広島県にある地元会社と大学として交流を深めてきました。2004年に工学研究科と協力協定を締結し、各種人員交流と共同研究をスタートしました。私も2007年から性能分野の担当とプロジェクト推進役、及び会社の全般交流窓口役として毎年広大の関係分野の先生方に共同研究テーマの選定、研究続行、成果報告会の開催、及び学生さんのインターシップ受け入れ等で頻繁に訪ねて行きました。2019年4月から広大に「船舶設計イノベーション共同研究寄付講座」を開設し、私も客員教授を務めています。これまで119件の共同研究を実施し、弊社建造船への実船適応率は75%以上です。これらの交流を更に拡大すべく、2019年5月に広島大学と包括的研究協力に関する協定を締結しました。一人の卒業生と会社の当事者としてすごくうれしく思います。

 常石グループは常石、フィリピン、中国に造船所があり、それぞれ設計会社もあります。中国設計会社設立当初の2005~2008年度の4年間に、私が引率し年1回中国船舶関連9大学に広大先生方による寄付講義を行って頂き、弊社の中国における知名度アップ及び中国設計会社のリクルート活動に多大な貢献を頂きました。私も2022年1月に常石(上海)船舶設計有限公司の総経理(社長)に着任しました。

 広大の学生さんには、異文化への理解、他国間のコミュニケーション力の強化を意識し、アグレッシブに行動しグローバルな人材を目指してほしいと思います。

広島大学との共同研究成果報告会の様子


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