茨城工業高等専門学校化学科を卒業後、より専門的な技術を学びたいと広島大学工学部第三類醗酵課程の3年次に編入学をしました。当時はお酒を飲むのが非常に好きで、いずれはお酒関連の仕事や研究につけたらと真剣に考え、醗酵課程を選択しました。修士課程修了後はIT企業に入社、まったく違う分野で働いているのですが・・・。

　異業種への就職ではありましたが、大学の研究で培った探究心や粘り強さ、分析力などはITの分野でも非常に役立っています。現在、私は株式会社ソルパックの執行役員という立場となりました。中堅中小企業のITの悩みを解決することで、ITを通じて社会に貢献する会社、お客様から日本一“ありがとう”と言われる会社を目指し、社員一丸となり日々邁進しています。

　皆さんも色々な夢をもって広島大学の工学部を志望されると思います。中には私のように思いがけなく異業種へ就職する方もいるかもしれません。それでも大学での経験が自信をもって仕事に取り組む力になるに違いないと思います。私は工学部で研究に没頭し、論文を発表できたことが今でも大きな自信となっています。仕事で思い悩んだときには、その論文を取り出しては大学時代を振り返り、仕事もチームで乗り切ればきっと道は開ける！と自信を取り戻すこともあります。

　私の大学時代の生活は茨城県からの見知らぬ土地への引越しで不安もありました。しかし、広島大学のおおらかな雰囲気、友達と忙しい研究の合間を縫って出かけた旅行などが今でもかけがえのない大切な思い出です。