テンパール工業株式会社 取締役 品質保証室長 日岡 正純さん

自分の芯を見つけよう

日岡 正純

 

テンパール工業株式会社 取締役 品質保証室長

日岡 正純 さん

広島大学 工学部 電気工学科

1975年度卒業

広島市立舟入高校出身

 小学生の頃から、父の影響でラジオやアンプなどを自作しており、高校では物理が得意でした。このことからごく自然に電気の道を選び、また郷里に近いことも理由で広島大学を選びました。入学前には大学紛争があり、本学正門はバリケードで封鎖され教養部建物が占拠されたと記憶しています。入学後、2年間の教養課程を経て、千田町の工学部キャンパスに通いました。卒論は三相バランサの研究を行いましたが、家庭教師のアルバイトにも注力しました。

 私の勤務しているテンパール工業は、低圧の配線用遮断器や漏電遮断器をはじめ、これらを内装した住宅や産業用の分電盤を主力に生産・販売しておりますが、1976年(昭和51年)の入社当時はオイルショックの影響が色濃く残った時期で、技術系といえども販売重視の方針から東京支店に配属となり、営業に4年間携わりました。その後、広島本社で20年間商品開発を行い、その後検査に2年、ベトナムホーチミンでの駐在1年半を含め海外調達に8年間従事した後、現在の品質保証業務に携わって6年になります。

 色々な職種を経験しましたが、東京の営業時代はセールスエンジニアとしてお客さまへ技術的な対応を行い、商品開発では営業経験や電気知識を活かして配線用遮断器や漏電遮断器などの設計開発を行い、海外調達では設計技術を活かして供給者の選定や部品・素材の評価・調達を行いました。また、品質保証業務でも設計知識をふまえて組立工場や供給者の品質指導などを行っていますが、いずれにおいても自分の知識のベースは電気工学にあり、これを基に必要な勉強を重ねて仕事に取り組んできました。

 これから大学に入学される皆さんは、様々な将来の希望や期待をもって受験をされ入学されることでしょう。しかし私の経験では、卒業後に現在の皆さんが予測できない未知の状況に置かれることもあると想像します。この時、自分の芯、つまり自信があるものが必要だと思います。ぜひ、広島大学の学生生活の中から、自分の芯となる何か一つを得て社会生活に活かしていただくよう期待します。

日岡 正純


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