株式会社大島造船所 船殻工作部 組立2課 現場スタッフ 吉川 拓実さん

まずは自分の目で見てみよう

 

株式会社大島造船所
船殻工作部 組立2課
現場スタッフ

吉川 拓実さん

広島大学工学部 第四類 平成28年度卒業

大分県立大分舞鶴高等学校 出身

現在の仕事について

 大島造船所は「バルクキャリアに特化」という特色を持った造船所です。1工場での年間建造隻数は約40隻と速いピッチで建造しており、その生産性は日本では勿論、世界においてもトップの位置にあります。
 私は現在、船殻工作部組立2課の現場スタッフとして働いています。組立2課は約580人という大所帯の作業者で構成されています。建造ピッチが速いため日々迅速な対応が求められ、現場スタッフは2人体制となってますが、もう1人も広大卒業生です。

 

左;筆者;H28卒、右;川野さん:H29卒

 現場スタッフとしての仕事は主に設計と現場をつなぐパイプ役です。設計側はデスク上での業務が主のため現場作業の実情把握が難しく、現場作業者側は溶接などの作業に忙しいため不具合や改善要望があった際に設計へ連絡することが難しい状態です。そこで現場スタッフが設計側、現場作業者側どちらにも実際に足を運び、状況を把握し、伝達することで情報を共有させる役割を果たしています。設計側、現場作業者側、双方共に人員、設計システム、現場設備能力など様々な制約を抱えています。

実際に足を運ぶことでどちらの制約も把握することができ、また他に現場経験者でないとわからないような問題も多く発見することができます。その双方の制約や問題を考慮した上でお互いに歩み寄った形のベストな対策を提案することが必要です。資料、電話、メールなどだけで判断せず、実際に自分の目で確かめる、作業に立ち会う、作業者と話してみることの大切さを感じています。
「まず自分の目で見てみる」という考え方は私の師匠、藤本教授から学びました。教授からは研究内容以外でも、生きていく上や仕事をしていく上での大切なことをたくさん教えて頂きました。教授からのそういった話が私の今の仕事スタイルに大きな影響を与えてくれています。

学生時代について

 私は大学時代、サッカー部に所属していました。そこで部活動の一環として東広島市の子どもたちを対象としたサッカー教室を毎月開催していました。子どもたちと触れあうことの楽しさ以外にも、協力してくださる保護者の方々への感謝の気持ちなどいろいろなことを学ぶことができました。勉強と部活の両立は大変ではありましたが工学部では可能な環境でした。

広島大学・工学部の志望者に対するメッセージ

 大学では、選んだ研究に好きなだけ没頭できます。しかし工学部での私の何よりの楽しさは、教授や研究仲間と一緒に様々なことに挑戦していき、一喜一憂することであったと感じています。また教授は学問、研究以外に、これから社会にでていく上で大切にしていくべきことなども教えてくれます。
 最後に、広島大学では広大な1つのキャンパスに大勢の学生がいることが特色であると思います。人と関わる機会が多く、たくさんの良い経験を得ることができます。人と多く触れあうことでの経験が、きっと社会にでてから役に立っていくはずです。


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