出雲村田製作所は、村田製作所グループの主力商品である積層セラミックコンデンサの供給を担っている事業所です。私は開発部門に所属しており、新商品開発、技術開発を行っています。自部門はもちろん、ときには他事業部と協同しつつ、これまで知り得なかった新しい知見を獲得しながら商品を世の中に出すというプロセスは非常にやりがいがあります。昨今の激しい社会の変化のなかで、自動運転やAI、DXと言われるような、エレクトロニクスの進化に基づく文化の発展に貢献できる喜びを感じています。

　私は広島大学工学部第二類に入学し、電気電子工学課程に進みました。当時は社会インフラに興味があり、電力システムの最適化に関する研究に修士課程まで取り組みました。シミュレーションベースの研究でしたが、実現したい現象を立式して考えるプロセスは業務においても役立っています。現在の仕事は現物解析を主としており、理論に基づいて推定した仮説を実際に検証できた際には学生時代と違った達成感があります。

　今思えば、大学時代は自由な時間が多く、かえって目の前にある様々な機会に対して意識が向いていなかったと感じます。内部にいる間は実感しづらいかと思いますが、教授や学友と共に学べる機会や自由に過ごせるまとまった時間は非常に貴重です。大学時代だからこそ可能な一つ一つの経験をなんとなく消化しないように、何か意味を持たせてみてはいかがでしょうか。