太洋電器産業株式会社 代表取締役社長 片岡 義男さん

青春は短い。宝石の如くにしてそれを惜しめ

太洋電器産業(株) 代表取締役社長 片岡 義男さん

 

太洋電機産業株式会社 代表取締役社長

片岡 義男さん

広島大学大学院工学研究科 
博士課程前期精密工学専攻

1976年度修了

 

 現在、太洋電機産業株式会社の経営をしています。
 会社は「goot」(グット)というブランドで「はんだこて及びはんだ付け関連製品」を設計、製造、販売しています。製品の半分は、直接貿易で約60ヵ国に輸出しています。
 社長職というのは、会社の大小にかかわらず、会社を定義しなければなりません。従業員やその家族の生活を左右する意思決定が常に付きまとう役職です。その意味では大変ですが、やりがいはあります。

2018年1月インターネプコンショー(東京ビッグサイト)出展

2018年1月インターネプコンショー
(東京ビッグサイト)出展
左から5人目 片岡さん

社内の様子

社内の様子

 工学部を卒業したのは精密工学科です。機械系の学科でしたが、物理、電気関係(流体力学、電磁気学、アナログ電子回路)の勉強をしたことは、現在の仕事に役に立っていると思います。工学の基礎は物理学です。物理学を専攻された先生方の指導をうけたことは、良かったと思います。
 研究内容は流体の温度と速度を、アナログ電子回路で同時に計る内容でした。
 研究はうまくいかなかった思い出があります。流体力学は乱流になると急に難しくなって理解できず、測定回路も雑音が多く、今思えば身の丈を越えた内容だったかと思います。研究室では気の合った友人と、学生の控室で酒を飲みながら水炊きをしたこともありました。今では怒られますね。
 アルバイトはほとんどやっていません。サークル活動は、剣道部に半年ほど入部していました。工学部では気の合った仲間と工学部サッカー同好会、また1975年の暮れのフェニックス駅伝では、高専卒業生のチームに入れてもらい優勝したこともありました。学生時代の多くの時間は読書(小説が多かったが、専門書も含む)や運動で過ごしました。哲学には興味があり、文学部の輪読会にも参加しました。ハイデガーの「存在と時間」の原書は、言葉の意味の理解が難しく、半年で数ページしか進まなかったような記憶があります。近年、立派な訳書や優れた解説書が多く出ていますが、当時はあまりありませんでした。
 今思うと、浮世離れしていたのでしょう、就職してから環境が大きく変わったことに、頭が付いていかず苦労しました。少しはビジネス書等を読んだり、また剣道部は続けてもよかったと思います。

広島大学・工学部の志望者に対するメッセージ

 人生は長いようで短いです。学生時代という責任のない自由な時間を過ごせるのは人生で一回しかありません。入学したら、できる限り多くの本を読んで、一生懸命クラブ活動したり、学問、研究に精を出してください。


up