日鉄建材株式会社 建築商品事業部門 建築商品開発部 建築商品開発室 郡 泰明 さん

人々の安全な暮らしのために

郡さん写真1

 

日鉄建材株式会社 建築商品事業部門
建築商品開発部 建築商品開発室

郡 泰明 さん

広島大学工学部第四類(建設・環境系)
2015年度卒業

徳島県立城南高等学校 出身

現在の仕事内容について

 当社は日本製鉄グループの鉄鋼建材を扱う二次加工メーカーであり、建築分野では、鉄骨造向けの柱材、床・屋根材、柱梁仕口材等の製造を行っています。現在私は、主に床材であるデッキプレート関連の商品・利用技術の開発を担当しています。
 具体的には、デッキプレートを構造材として使用するための公的認知の取得、適用範囲の拡大等ですが、当然そのためには実験や解析による安全性の検証が必要となります。構造物試験機による曲げ試験や、耐火性能検証のための載荷加熱試験、その他居住性検証のための床振動測定など、様々な側面から製品に携わっています。
 最近では、建設業界が従来の2DCAD図面から、3DであるBIMを活用する形へと移行しており、そのBIMでの設計で活用いただくためのデッキプレート割付システムの開発等、新しい分野にもチャレンジしています。
 自分の開発した商品や技術が実際の建物に活用され、人々の安全な暮らしの役に立てることが、一番のやりがいです。

曲げ試験によるデッキプレートの性能試験

曲げ試験によるデッキプレートの性能試験

BIM設計用のデッキプレート割付システム

BIM設計用のデッキプレート割付システム

学生時代について

 学生時代には、建物や地盤の振動について研究していました。解析が主なため、基本的にはパソコンと向き合う日々でしたが、解析値の適正検証のために、工学部棟の最上階で、研究室メンバー総出で息を合わせて壁を押し、加振を行って建物の揺れを測定したり、他大学の研究室と合同で、深夜に小学校の運動場をお借りして、地盤の微振動を測定したりしたのが印象に残っています(深夜なのは、車の走行等、雑振動を避けるため)。
 対象物のスケールの大きさに対し、取得するのはほんの小さな揺れや振動ですが、そういったデータから建物や地盤の振動特性を把握することが、大きな地震への防災対策に繋がります。それがこの研究の面白さであり、大切さなのだと、当時学生ながら感じていました。

広島大学・工学部在校生へのエール・メッセージ

 私自身、入社当時は現在の仕事内容と学生時代の研究内容は直接的な繋がりはないかと思っていましたが、思わぬ形で役に立っています。興味を持って学んだことは簡単には忘れませんし、今後の財産になります。是非学生のうちに色んな分野に興味を持って、知識を習得してみてください。


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